2015 Fiscal Year Annual Research Report
在外教育施設における高校生の特異性の解明とそれに基づく指導法の開発
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15H06788
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Research Institution | Hiroshima Jogakuin University |
Principal Investigator |
関谷 弘毅 広島女学院大学, 国際教養学部, 講師 (60759843)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 在外教育施設 / 日本人学校 / 高校生 / 英語 / 特異性 / 指導法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は次の通りであった。①質問紙調査を実施し,学習者が持つ学習観(英語学習に対する信念),学習動機(英語学習に対する意欲),学習ストラテジー(英語学習に用いる方略)を,a)日本人学校高等部の高校生,b)日本の一般の高校生,c)日本人学校の中学生(英語圏,非英語圏含む),d)現地校の高校生と比較検討する。また,観察法,面接法を用い,より質的な精査をする。②関谷(2013)で対象となった調査協力者の卒業後追跡調査を行う。調査方法は①に準じる。③上記,①,②の結果を踏まえ,効果的な指導法を提案し,効果測定を行う。 ①に関して,2016年8月に予定される上海日本人学校での調査に向けて継続的に再検討を行ってきた。現在なお準備中である。具体的には関谷(2013)で用いた尺度の精度を上げるべく,各項目を検討中である。②に関して,関谷(2013)において2012年7月に質問紙調査を行ったa)日本人学校高等部の当時の高校生(現在卒業後1年1か月経過)の一部に対して,面接法を用いて予備追跡調査を2016年3月に行った。現在分析中である。③に関しては,原則上記の①,②の結果を踏まえてからの着手となるが,予備実験的な位置づけとして日本の大学生を対象に,関谷(2013)で用いられた指導法を実践し,その過程・効果を記録した。指導法の実践は,2015年12月~2016年2月にかけて行われた。 <引用文献> 関谷弘毅(2013). 「在外日本人学校の高校生の持つ特異性の検討と新たな教育活動の提案 -学習ビリーフ,学習動機,学習ストラテジーに着目して-」『STEP BULLETIN』25, 278-287.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は調査協力校である上海日本人学校高等部が平成28年3月に行うと予想された英語関連イベントにおいて調査を予定していたが,当方の事情によりその形態が大幅に変更されたため,改めて調査時期を見直すこととした。具体的には平成28年8月を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
4月~6月:①c)を対象とした調査を実行するにあたり,英語圏の日本人学校中学部で調査を実施する。③に向け,日本人学校高等部の高校生に効果的に働く指導法を考案する。関谷(2013)では,在外日本人学校の高校生よりも,日本の高校生のほうが文法に対する重要性の意識が高い傾向が見られた。関谷(2013)の再現性の確認に加え,学習動機や学習ストラテジーといった変数においても,日本人学校の中学生,現地校の高校生との多角的な比較から日本人学校の高校生の特異性を洗い出し,指導法を考案する。 7月~9月:②に関連し,夏期休暇期間を利用し,関谷(2013)で対象となった調査協力者(この時点で卒業後1年半経過)の卒業後追跡調査を行う。調査方法は①に準じる。③に関連し,考案した指導法を上海日本人学校高等部の高校生を対象に,7月,及び8月の夏期講習の期間を利用し,1コマ90分×3~5の実験授業を実施する。2クラス設けたうえで,実験群と対照群を事前事後デザインで効果測定する。測定する従属変数には,学習観,学習動機,学習ストラテジーに加え,文法力,スピーキング力を組み入れ,英語運用能力の向上も見る。ここまでの研究成果を夏に開催される学会で発表する。 10月~翌年3月:卒業後追跡調査は引き続き継続する。また,研究成果の取りまとめ,及び公表を行う。具体的には,学会誌への投稿準備,及び,ホームページの開設を考えている。さらに,提案する指導法を撮影し,DVDを作成する。 <引用文献> 関谷弘毅(2013). 「在外日本人学校の高校生の持つ特異性の検討と新たな教育活動の提案 -学習ビリーフ,学習動機,学習ストラテジーに着目して-」『STEP BULLETIN』25, 278-287.
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