2015 Fiscal Year Annual Research Report
ミャンマーのスラム街居住者における貧困及び社会経済状況の変化に関する研究
Project/Area Number |
15H06806
|
Research Institution | Kumamoto Gakuen University |
Principal Investigator |
|
Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
|
Keywords | ミャンマー大都市の社会経済 / ヤンゴン市の社会経済 / ミャンマーの貧困 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的、具体的な内容 本研究の目的は、ミャンマーの大都市に潜む貧困発生原因やメカニズムを明らかにした上で、大都市であるヤンゴン市のスラム街における貧困及び社会経済状況の変化を経済的・社会的側面から明らかにし、貧困緩和策を提案することである。まず、ミャンマー・大都市の貧困発生の構造分析を三つの時代(植民地体制時代、独立後から社会主義体制時代、市場指向型経済体制時代)に分けて詳細に分析する。次に、貧困者が集中しているヤンゴン市郊外部に位置するラインタヤ区(R区)で「第2回ヤンゴン市貧困調査」を行い、研究代表者本人による「第1回ヤンゴン市貧困調査2010年」の結果と比較分析を行う。最終的には、ヤンゴン市のスラム街における貧困と社会経済状況がどのように変化してきたかを明らかにし、合理的かつ実現可能な貧困緩和策を提案する。
研究の意義、重要性 本研究の意義は、①ミャンマー独特の歴史と社会・経済体制を振り返りながら貧困発生メカニズムを明らかにすること、②現地調査を行い、大都市の貧困や社会経済の変化を経済的・社会的視点から明らかにすること、③調査研究を継続的に取り組むことによって、実際にヤンゴン市の貧困や社会経済状況の変化及びその原因を見出すことである。 ミャンマーの貧困問題に関する先行研究が非常に少なく、これまでの研究では、ミャンマーの大都市に潜む貧困の根本的な原因について、歴史と社会・経済体制を振り返りながら詳細に分析を行い、さらに貧困発生メカニズムを明らかにすることはなかった。また、大都市の貧困調査が困難なため、社会経済や貧困に関して経済的・社会的側面から詳細に分析し、さらに貧困緩和の要因及び貧困緩和策を検討するまではなされていない。本研究は、今後ミャンマー大都市の貧困や社会経済状況の変化及びその原因を見出すことができると確信している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究には現地調査が不可欠であるため、2015年12月にヤンゴン市のR区で調査(標本数300)を実施した。調査方法は無作為抽出法の2段抽出法を用いることにし、インタビュー形式で行なった。調査結果は、アジア市場経済学会、東アジア地域研究会合同研究会(立命館大学国際地域研究所、中国企業システム研究会共催)で報告され、パネルディスカッションでは、研究の学術的意見交流が行なわれた。学会誌に報告の概要が掲載され、一般公開することになる。 また、2016年4月にJETROアジア経済研究所の図書館やASEAN-JAPANセンターに訪問し、本研究の更なる発展のために貴重な資料を入手することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在、調査結果の詳細な分析に取り組み中であり、今後の研究の推進方策は以下の通りである。
①日本応用経済学会 春季大会 報告 ②日本応用経済学会 学術誌 査読付論文 投稿 ③Angkor University Research Center for Economic Development, International Conference on Development Alternatives 報告 ④Angkor University Research Center for Economic Development, Research Paper作成
|
Research Products
(3 results)
-
[Presentation] Poverty Analysis in Myanmar2017
Author(s)
AYECHAN PWINT
Organizer
Angkor University Research Center for Economic Development, International Conference
Place of Presentation
Angkor University, Siem Reap, Cambodia
Year and Date
2017-03-19
Int'l Joint Research
-
-