2015 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素環境が毛乳頭細胞スフェロイドの毛包誘導力に与える効果
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15H06820
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Research Institution | National Institute of Technology, Kumamoto College |
Principal Investigator |
本田 晴香 (古賀晴香) 熊本高等専門学校, その他部局等, 助教 (90756983)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 細胞・組織 / マイクロ・ナノデバイス / 低酸素培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
毛髪は保温や紫外線からの保護といった機能面だけでなく、喪失した場合、精神面にも影響を与えうる重要な器官である。近年in vitroでの「毛髪再生」の実用化に向けた研究が国内外で盛んに取り組まれており、人々の関心・ニーズも高い分野である。 本研究では、毛包形成をつかさどる毛乳頭細胞(Dermal Papilla Cell、DP細胞)の「毛包誘導力」を高めるため、DP細胞の「スフェロイド化」、および「低酸素環境」を組み合わせた培養方法を発想した。具体的には①独自のマイクロウェルチップ技術を用いてDP細胞スフェロイドの形成技術を確立する、そして、②低酸素培養環境下でのDP細胞スフェロイドの毛包誘導力を評価し、低酸素環境がDP細胞の毛包誘導力に与える影響を明らかにしていくことを目的とする。 H27年度は、上記①の目的を達成するため、アガロースゲルで作製したマイクロウェルチップを用いて、DPスフェロイド形成が可能か検討した。その結果、DP細胞の培養は、DP細胞増殖因子を添加していないDMEM培地でも良好に行うことが可能であった。スフェロイド化したDP細胞の増殖は、単層培養と比較して著しく抑制されるが、数週間その形状を維持することが可能であった。また、マイクロウェルチップのウェルサイズ、および初期の播種密度(ウェルあたりの細胞数)によってスフェロイドのサイズを制御することが可能であった。今回行った実験条件の範囲内(スフェロイド直径:~100μm)では、スフェロイド内部の細胞も良好に生存していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
DP細胞の培養方法、およびDP細胞のスフェロイド形成技術を確立することが出来たが、初期の実験室整備に時間を要し、当初の予定よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在のところ、研究計画の大幅な変更は予定していない。当初の予定通り、遅れているスフェロイドの毛包誘導力の評価(遺伝子解析等)を速やかに行い、スフェロイドの有効性を実証した後、低酸素培養の評価に取り組んでいく。
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