2016 Fiscal Year Annual Research Report
Time-resolved infrared spectroscopy of the thermophilic rhodopsin under various pressures and temperatures
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15H06837
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
黒井 邦巧 東北大学, 薬学研究科, 助教 (70757757)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 圧力 / 時間分解赤外分光法 / バクテリオロドプシン / 耐熱性ロドプシン |
Outline of Annual Research Achievements |
好熱菌由来のロドプシンThermophilic rhodopsin (TR)は、最近初めて発見された耐熱性ロドプシンであり、本研究は、時間分解赤外分光法を用いて、TRの光反応を温度条件や圧力条件を変えながら検討することを目指したものである。平成27年度は、温度条件を変えながらTRの光反応の計測を行い、TRの光反応が温度でどのように変わるのかを明らかにした。本年度においては、圧力条件を変えながら測定することを目指し、新たに圧力下で時間分解赤外計測が可能な系の立ち上げを開始した。測定試料への圧力印加のために、ダイアモンドアンビルセル(DAC)を購入し、さらに分子科学研究所の装置開発室の協力のもと、DACの位置と温度を正確に制御できるようなDACホルダーを製作した。これを赤外分光器内に取り付け、ここに励起光を導入することで、圧力下での時間分解赤外分光計測が可能となった。我々はこの系を、まずバクテリオロドプシン(BR)の光反応に適用した。これはBRが比較的大きな赤外差スペクトルを与えるためである。その結果、初めて圧力下でBRの光反応の時間分解赤外差スペクトルを計測することに成功した。圧力下では、K中間体の寿命が長くなること、O中間体の存在比率が顕著に減少することなどの光反応への影響が見られた。しかしながら、本測定系においては、DACを透過する赤外光量が小さく、得られる信号の信号ノイズ比(SN比)が悪いという短所がある。TRの赤外差スペクトルは、BRのそれよりもかなり小さいので本系をTRの光反応に適用するにあたって、この問題を解決する必要がある。残念ながら、本研究計画の期限内には、SN比を改善してTRに圧力下計測を適用することはできなかった。しかし、本研究において、初めて圧力下において時間分解赤外法でタンパク質反応の計測に成功し、意義深い成果が得られたと言える。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)