2015 Fiscal Year Annual Research Report
ミジンコの環境依存型性決定を司る母性因子の探索と遺伝子制御ネットワークの構築
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15H06839
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
豊田 賢治 基礎生物学研究所, 分子環境生物学研究部門, NIBBリサーチフェロー (00757370)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | ミジンコ Daphnia pulex / 環境依存型性決定 / 幼若ホルモン / 光周性 |
Outline of Annual Research Achievements |
淡水性甲殻類のミジンコ類は環境依存型の性決定様式を示す。彼らは単為生殖によって好適環境では雌を、また環境の悪化に伴い雄を産出する。私はこれまでに、ミジンコDaphnia pulex WTN6系統が日長時間に応じて仔虫の性比を制御できることを見出した。この雌雄の誘導系を駆使して、雄誘導条件では幼若ホルモン(JH)の生合成制御により母親体内のJH濃度が上昇し、そのとき卵巣内にある卵母細胞の発生運命が雄に決まるというモデルを示してきた。しかし依然として、母親体内のJH濃度変動がどのような経路を介して卵巣中の卵母細胞に伝わり、雄性分化を制御しているのか、これらの分子機構は全く分かっていない。そこで本研究は、WTN6系統をモデルに、雌雄の運命決定を司る母性因子の探索および雄性分化シグナルカスケードの全容解明を目的に、時系列サンプルによるトランスクリプトーム解析を実施した。 本解析では、性決定因子と日長応答因子を区別するため、日長条件による雌雄の誘導系に加え、JH処理による雄誘導系も用いた。サンプルは計10点のタイムポイントで取得した(卵母細胞を含む母親の卵巣全体:5点、母親の育房に産みだされた胚:5点)。本年度は、全てのサンプルのRNA-seq用のライブラリを作製し、シークエンスデータを得ることに成功している。今後、時系列サンプルの特長を生かした遺伝子制御ネットワークの推定解析などを通して、ミジンコの環境依存型性決定の根幹を成している分子基盤の解明に迫りたいと考えている。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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