2015 Fiscal Year Annual Research Report
外来及び一般病棟看護師が行う多量飲酒者へのアセスメント及び介入の実態
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15H06869
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
内野 小百合 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, その他部局等, 助教 (90758757)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | アルコール / 多量飲酒 / 看護師 / アセスメント / 看護介入 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はアルコール関連問題に対し、看護師がどのように寄与できるか示唆を得るため、外来及び一般病棟看護師が患者の何をアセスメントし、多量飲酒や臓器障害以外のアルコール関連問題を把握した場合どのように介入しているか、その実態を把握することを目的としている。平成27年度は、文献検討やアルコール健康障害対策関係者会議の傍聴など情報収集を行うとともに、プレテストを実施し、質問紙による郵送調査を行った。当初、平成28年1月に全国総合病院から無作為抽出した100施設へ研究協力依頼を行ったが、返信は25施設(25%)、協力可能の回答は3施設(3%)のみであった。予定数に満たないため、ネットワークサンプリングに切り替え協力者を得た。平成28年5月までに862名の看護師に質問紙の発送をし、回答待ちである。現時点で94名(10.9%)から回答を得ている。 正式な分析はこれからであるが、看護管理者が協力できないとした理由や質問紙の回答からは、「対象の患者がいない」「多量飲酒者は近隣の精神科病院が担当している」という意見が見られた。また、外来及び一般看護師は、「飲酒の機会や量・パターン」「ストレスコーピング」等についての情報収集は行っているが、CAGEやAUDITなどアルコール依存症や有害使用のスクリーニングについて「知らないし、使わない」と回答する者が多い傾向が見られる。これらからは、多量飲酒者あるいは潜在的なアルコール依存症者が身近な問題として捉えられておらず、アルコール依存症に関する知識が不足している可能性が示唆される。一方で、リエゾン専門看護師や慢性疾患看護専門看護師などの資格を有する看護師が、積極的に介入を行っている可能性も窺える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、質的データと量的データを用いたミックス・メソッド・リサーチである。第1段階として、質問紙を用いて外来及び一般看護師の実態を量的データとして収集し、第2段階ではインタビューにより詳細な質的データを収集する。 第1段階では、研究協力者を得ることができず、質問紙の送付・回収が遅くなっている。しかし、現在第2段階のインタビュー協力者10名と調整中である。質問紙の分析と並行してインタビューを実施し、分析を行ってゆく。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き第1段階の協力施設を調整し、質問紙を送付する(平成28年7月まで)。また、回収した質問紙のデータ分析を継続してゆく。同時に平成28年6月から平成29年1月まで、申し出のあったインタビュー協力者へのインタビューを実施し、質的データの分析を行う。 関連学会に参加し情報収集を行うと同時に、分析結果の報告を学術集会で行ってゆく。
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