2015 Fiscal Year Annual Research Report
被災地域に暮らす高齢者の健康支援のためのコミュニティ・エンパワメントモデルの開発
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15H06871
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
早野 貴美子 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, その他部局等, 准教授 (40759031)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | コミュニティ・エンパワメント / 災害看護 / 被災者健康支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,自然災害における被災地域で生活する高齢者の健康支援に関して,地域住民が問題意識と関心をもち,コミュニティとして介入する健康支援体制のしくみづくりをねらいとする。研究目的は、健康支援に際し保健師,看護師が被災地域の住民にどうのように関わり「コミュニティ・エンパワメント」を行ったか,その介入要素の構造化を行い,エンパワメントするしくみを解明することである。 27年度の目的においては、①被災地域の健康支援の実態把握、②調査対象者となる保健師、看護師の検討とリクルート活動、③研究命題の主要概念の抽出とインタビューガイドの再構築である。 ①被災地地域の健康支援の実態の把握については、文献検討および被災地域の高齢者への健康支援活動の実態に関する情報収集を行い、調査対象地域について検討を行った。ⅰ)被災状況の当時の状況と現在、ⅱ)被災地域に暮らす高齢者の健康介入の実際、ⅲ)保健師、看護師の健康介入支援の内容に関する情報を統合し調査対象地域を選定した。その結果、岩手県では,釜石地区,陸前高田地区,宮城県では,石巻地区,名取地区と福島県南相馬地区においてデータ収集を行うこととした。 ②調査対象となる保健師・活動の検討とリクルート活動については、対象者選定に時間を要しており調整中である。 ③研究命題の主要概念の抽出とインタビューガイドの再構築については、エンパワメントの主要の概念とコミュニティ活動の要素の統合を図り、3つの主要概念とその構成要素による構造化を行った。それに基づきインタビューガイドを整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
27年度の目的においては、①被災地域の健康支援の実態把握、②調査対象者となる保健師、看護師の検討とリクルート活動、③研究命題の主要概念の抽出とインタビューガイドの再構築である。この中で、②の調査対象者の検討のみ遅れている。被災地域の健康支援活動内容に基づき、調査対象となる地域選定に時間を要したことが原因である。現在、調査地域の特定を終えており、その地域で活動する保健師・看護師への調整を行い、順次データ収集を行うこととする。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度は、データ収集・分析に基づきモデル構築を行う。東日本大震災において甚大な被害を受けた地区の健康支援の介入の要素を抽出し体系化を図る。対象地域は、27年度に得た情報をもとに再検討し、岩手県では,釜石地区,陸前高田地区,宮城県では,石巻地区,名取地区と福島県南相馬地区を対象地域とする。調査対象者数については、各地区3名~5名とし、6月~8月の実施を予定している。データの一次分析を行い、調査対象者への内容確認および追加調査を行うこととする。当初の予定どおり、本年度はコミュニティ・エンパワメント要因の抽出によりモデル構築までを行う。
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