2015 Fiscal Year Annual Research Report
チャクチ海における海洋環境変動に対する低次生物の応答の評価
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15H06902
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
藤原 周 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 北極環境変動総合研究センター, 技術研究員 (00756489)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 植物プランクトン群集組成 / 基礎生産 / チャクチ海 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.「低気圧起因の秋季ブルームが二次生産者に与える影響の評価」について 2013年秋季チャクチ海における14日間の定点観測データより、強風発生後、海洋環境が変化し、下層から表層付近まで供給された栄養塩によって、植物プランクトン生物量の増加および群集組成が変化したことを特定した。また、その結果、増加した植物プランクトンが動物プランクトンにただちに捕食されていたことが確認された。この結果から、気象イベントが基礎生産者を通じて二次生産者の活動に明確な影響を及ぼすことが明らかとなった。同時に、多波長励起蛍光光度計を用いた、植物プランクトン群集組成の推定手法を考案した。これにより、対象海域・期間中において、センサーを用いた植物プランクトン群集組成の高解像度観測が可能となった。本研究について、国際会議1件、国内会議2件で成果を報告した。平成28年度前半には国際誌に論文として投稿できる見込みである。
2.「秋季南部チャクチ海生物学的ホットスポットにおける底層低酸素水塊の形成要因の解明」について 過去船舶データの収集および、平成27年の観測航海に参加し、さらなる現場データを得た。現場で取得した植物プランクトン色素濃度は、海洋研究開発機構むつ研究所所有の高速液体クロマトグラフィーを用いて分析した。植物プランクトン色素分析は平成27年度内に完了し、南部チャクチ海ホットスポットおよび周辺海域の植物プランクトン群集組成の同定および、衛星を用いた基礎生産推定精度の向上に使用する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全体の進行は良好であるが、上記1の研究テーマについては、年度内の論文投稿のみ目標達成できなかった。植物プランクトン群集の時系列変化の特定手法として、当初の計画にある高速液体クロマトグラフィーを用いた植物色素の分布の解析に加え、多波長励起蛍光光度計を用いた植物プランクトン色素濃度推定手法を新たに取り入れ、その手法の確立にエフォートを割いたためである。
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Strategy for Future Research Activity |
研究課題1については、現在論文執筆中であり、平成28年度前半には投稿する予定である。 研究課題2については、現在2003年から2015年の衛星データより、1日解像度の基礎生産量を計算中であり、平成28年度初めに終わる見込みである。同課題の研究成果についても、12月までに国際誌に投稿することを目標とする。
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Research Products
(5 results)