2015 Fiscal Year Annual Research Report
音響及び光学画像を用いた港湾係留施設の劣化診断検査システムの開発
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15H06909
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Research Institution | Port and Airport Research Institute |
Principal Investigator |
虻川 和紀 国立研究開発法人港湾空港技術研究所, その他部局等, 研究員 (50756731)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 安全システム / 港湾維持管理 / 3次元計測 / 画像解析 / 変状検出 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、光学カメラと音響機器を搭載した簡易計測システムによって係留施設水中部の形状計測を行うことで半リアルタイムに係留施設検査を実行するシステム構想に向け、音響計測と光学画像の融合システムと変状自動検出検査プログラムの開発を行う。本年度の研究実績は以下の通りである。 1 光学画像取得システムの構築の研究計画では、工業用カメラに耐水・耐圧化を施し、構築する予定だった。しかし、本研究の目的は、正確に効率よく安価で計測することである。そこで、市販品のウェアラブルカメラ(GoPro)に注目し、システム構築を行うこととした。水中にあるカメラから陸上部へのデータ通信は、超近距離水中Wi-Fiを使用することにより解決している。 2 画像モザイキングプログラム手法の検討および作成を行った。はじめに、特徴点検出のみでモザイキングを行った。市販(フリー)のモザイキングアプリケーションでテストデータ(岸壁エプロン部の画像)を実施したところ、当初研究計画にあったように、類似の特徴点が多く正確なモザイキングが出来なかった。次に、画像に位置データを付加し、位置データを用いてモザイキングを行ったところ、位置計測のGPSデータ・動揺データ誤差の影響によりずれが発生することを確認した。次に、位置データと特徴点検出を用いたモザイキングプログラムの作成を行った。 3 変状自動検出検査プログラムの開発では、画像モザイキング手法の検討で使用したテストデータを用いてプログラム開発に着手するともに、ひび割れの判定基準について検討を行った。ひび割れの判定基準は、A・B・C・Dと4段階に分かれている。しかし、現場でのBとCの判断は難しく、Bとして判定されている。そこでまずは、A(欠損、穴あき)・B(ひび割れ)・D(変状無し)を判断するアルゴリズムの作成を行うこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の研究実績は光学画像取得システムの構築、画像モザイキングプログラムの検討、変状自動検出検査プログラムの開発の3つである。 当初計画では、光学画像と音響計測データ合成用実験と合成プログラム開発を平成27年度中に行う予定であった。しかし、使用する音響機器(マルチビーム測深機)の変更により、平成27年度に手配できなかった。試験用の音響機器は、最近日本に入ってきた小型で安価な音響機器と選定した。光学画像と音響計測データ合成用実験と合成プログラム開発に着手することが出来なかったため、変状自動検出検査プログラムの開発を前倒しに着手している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、昨年度着手できなかった光学画像取得システムと音響機器(予定ではマルチビーム測深機)を用いて光学画像と音響計測データ合成プログラムの開発、及び、データ取得実験を行う。実験及びプログラム開発後、要求仕様項目(検査に必要な精度等)を満たしているか評価する。変更後の研究計画では、年度半ば頃に当初保有の水槽にて光学画像と音響計測データ合成プログラムの開発データ取得実験を行う予定である。音響機器は手配済みである。さらに、プログラム開発をスムーズにするため、過去に当所で取得した実験データを下に事前に作成準備を進める。 また、変状自動検出検査プログラムの開発し、課題の抽出及び改良を行う。 他にも、学会発表および報告書の作成を行う。平成28年5月19日に開催された海洋音響学会論文発表会にて、本研究内容について発表している。今後は国際学会にて発表予定である。
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Research Products
(2 results)