2016 Fiscal Year Annual Research Report
古代マヤ文明における都市形成と階層化に関する動態的研究
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15J00280
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
塚本 憲一郎 青山学院大学, 文学部, 特別研究員(SPD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 古代マヤ文明 / 都市形成 / 社会階層化 / 都市周縁部 / 世帯考古学 / エスノヒストリー / 饗宴 / 空間分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
カリフォルニア大学リバーサイド校人類学部のテニュアートラック助教授として採用されたために、特別研究員SPDおよび科研費を辞退する次第となった。そのため、以下の研究実施状況は、4月から7月までの4か月間の研究成果である。4月上旬は、メキシコ合衆国カンペチェ州にあるエル・パルマール遺跡において、北周縁部の建造物GZ3を全面発掘し、建造物の複合的機能を明らかにした。床面直上と床下からは、社会集団の活動を復元できる豊富な遺物が出土し、他の建造物も合わせると10基もの墓が出土した。 先スペイン期と植民地時代の比較研究においては、饗宴の社会・政治的役割を比較し、その知見を基にイギリスで最も権威のある考古学論文雑誌Antiquityに論文を投稿した。現在、査読審査中である。 研究成果の口頭発表においては、国内の日本ラテンアメリカ学会にて研究成果を発表した。国外では、アメリカ考古学会議の古代メソアメリカ文明における政治経済シンポジウムにおいて、考古調査の成果だけではなく、植民地時代の文献研究によって得た成果の一部を発表した。他の研究者たちの発表が政治と経済の密接な関係を強調する中で、古典期後期(後600~900年)におけるマヤ貴族の政治的地位と経済状況の乖離、という異なった視点を提示し、研究者の間で一定の評価を得た。 また、日本において受け入れ先である青山学院大学と、メキシコ国立人類学歴史学大学との研究協定を結ぶべく、昨年度より交渉を主体的に進め、5月18日に協定を締結させた。これは両大学の相互補完による研究体制を確立したばかりでなく、将来の日本―メキシコ国家間における考古学研究の交流も促進するであろう。 二年目の前半で就職が決まったために、本研究を中途で辞退する結果となったが、渡米後も上記の成果を加えて本研究を続け、雑誌論文や単著として発表する予定である。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)