2015 Fiscal Year Annual Research Report
センサレス自己診断と帯域制限トルク制御によるびびり振動抑制システムの開発
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15J00421
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小池 綾 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | びびり振動 / 外乱オブザーバ / トルク制御 / プロセスモニタリング / フライス加工 / サーボ情報 / センサレス |
Outline of Annual Research Achievements |
数値制御工作機械は,加工精度や生産効率の向上や生産コストの低減など,あらゆる産業の発展に貢献してきた一方で,事前に作成されたプログラムを忠実に実行する特性のために,加工中の想定外の異常に対応できない.特に生産効率を向上させるためには,びびり振動の回避・抑制は不可欠であり,安定加工条件の高精度な同定法,高応答な振動抑制技術の実現が強く望まれている.しかしながら,従来のびびり振動回避・抑制手法は工具系伝達関数を高精度に把握する必要があるものが多いが,動特性は機械の動作や加工熱で変化してしまうため,より実用的で広汎用な手法が求められている. 本研究ではまず,工作機械が自律的かつ高精度にびびり振動に対する安定加工条件を同定する自己診断手法その有用性を評価した.実験結果から,外乱オブザーバによって主軸回転減速中のびびり周波数の急激なシフトをサーボ情報から検出でき,急激なシフトが発生した主軸回転数は確かに大きな切込量を与えても加工が安定的であることを示せた.また,時間領域切削シミュレータを構築することで,提案手法の同定誤差を理論的に明らかにし,補正式の導出に成功した. また,周波数近傍のみ加工トルク制御を実現する帯域制限トルク制御を提案し,高速スピンドル制御系を構築し適用することで,びびり振動の能動的抑制を試みた.しかし,びびり振動の抑制効果はほとんど確認できなかった.時間領域切削シミュレータを用いて評価したところ,主軸回転角度の変更では切取量をほとんど操作できず,再生効果を低減できないことがわかった.一方で,工作機械ステージに同制御法を適用した場合には切取量を容易に操作できるため,びびり振動を抑制できる可能性を確認できた. これらの研究成果によって,原著論文1編と国際会議2回の発表を行った.また,2016年度には国際会議用論文が受理され1回の発表を予定している.
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(4 results)