2017 Fiscal Year Annual Research Report
外国人学校と地域によるコミュニティ形成過程に関する研究
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15J00449
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金南 咲季 大阪大学, 人間科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | グローバリゼーション / エスニシティ / 共生 / 外国人学校 / 多文化混交地域 / コンタクト・ゾーン / 学校間交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、前年度までに概ね終了した国内調査の分析を進め、その集大成として博士学位論文にまとめること、また、海外調査を実施し比較社会学的研究に接続させていくことを課題とした。そこで前半期(5~9月)には、公定多文化主義国家であるカナダ・トロントにおいて、移民・エスニシティ・文化・都市などをテーマに研究や実践を精力的に進めているトロント大学人類学研究科・エスノグラフィー研究所に所属し、市内でも有数の多文化混交地域であるエリアを中心に、多文化化に伴う学校教育や地域のコミュニティ形成に関する実態と課題についてフィールド調査を行った。 後半期(10~3月)には、国内調査の分析結果を踏まえて博士学位論文の執筆を進めた。具体的には、「コンタクト・ゾーン」を分析視座として、対象地域社会の10年間の変容を諸アクターごとに分けて記述・分析し、「共生」の生成・展開の動態とその背景にある論理を7つの要素――1)「共に投げ込まれている(thrown togetherness)」という所与の条件、2) 関係性のなかから立ち現れる主体化、3)「マイノリティ性」に基づく連帯の創出、4) 認識・実践・関係性の変容、5) コンフリクトと連帯の複合的展開、6) カテゴリー間に位置づけられる存在の可視化と相互変容の活性化、7) 教育ネットワークを基盤とした緩やかな集合体の再編、にまとめた。また、以上の事例から得られた知見をもとに、教育社会学と都市社会学におけるエスニシティ研究、移民・エスニシティ研究における分析視座に対して示唆を提示した。 2018年3月に大阪大学人間科学研究科より学位を取得したほか、並行して学術誌への投稿論文(『異文化間教育』【査読有】・『共生学ジャーナル』【査読有】)や学会発表(日本社会学理論学会研究例会【招待有】を含む)など、成果の発信に努めた。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)