2016 Fiscal Year Annual Research Report
医工学的方法論による小児用肺動脈弁の設計開発のためのシステム構築
Project/Area Number |
15J00531
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
坪子 侑佑 東北大学, 加齢医学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 右室流出路再建 / 先天性心疾患 / 人工弁 / 人工血管 / 血液循環シミュレーション / 小児右心循環 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児の先天性肺動脈狭窄に対する右室流出路再建に用いられるハンドメイドePTFE製3弁付導管においては、バルサルバ洞形状を模した構造(bulging sinus; BS)を弁基部導管壁に持たせることで、弁開放性能の向上、収縮期エネルギー損失の低減が期待できる。しかしながら、より小児肺循環に適応するためのBS形状について、その改良のための有効な設計指針は明らかになっていない。 ePTFE製肺動脈弁付導管の形状最適化を目標とし、所有する拍動型小児右心循環シミュレータでの開放性能評価と合わせ、心収縮末期の弁葉閉鎖能に着目した静圧負荷試験による弁性能のトータル評価を実施した。オーバーフロータンクによって弁後流部側から任意の静圧を負荷できる試験装置を構築し、拍動下では観察が困難である導管壁面部の変形を高速度ビデオカメラで詳細に観測し、取得動画に対してOptical flowの手法を用いることで定量的に算出することを試みた。 研究成果の概要として、構築した試験系によるePTFE弁の弁葉周辺挙動の定量評価が行いえた。導管への圧負荷増加時には弁葉接合部よりリークが生じるが、大型のBSを持たせた導管においては直管型導管や、臨床使用されるBS付ePTFE弁と比してリーク量が増大した。Optical flow解析から、内圧上昇に伴い導管壁面のBS縫合部の径方向への拡張が観測され、弁尖接合部の間隙が大きくなることでリークが増大することが示された。これまでに実施された模擬循環回路や動物実験結果からはBSの大型化による拍動下での弁葉開放挙動の促進効果が示されているが、今後、閉鎖時の導管変形および閉鎖時リークとのトレードオフを考慮することで、弁葉およびBS形状といった設計指標の相互作用を定量的に示しえる可能性が示された。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)