2015 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚障害児と健常児が共に創り,鑑賞できる人形劇システムの開発と評価
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15J00608
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
江草 遼平 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 聴覚障害児 / 人形劇 / 要素技術開発 / 評価実験 / 情報デザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は,以下の研究を実施した。①デザイン指針立案:先行研究の収集・分析を行った。また,それを基に,聴覚障害者や専門家と協議し,デザイン指針を立案した。②機能開発:デザイン指針に基づき,位置測定装置や距離画像センサを用いた複数人によるインタラクション機能の要素技術開発を行った。③1回目の評価実験の実施:茨城県立水戸聾学校小学部の児童を対象とした評価実験を行い,複数人によるインタラクション機能の有効性を検証した。④デザイン指針の修正と次年度評価実験の計画:評価実験の結果を基に,聴覚障害者や専門家と協議し,デザイン指針の修正を行った。また,次年度の機能開発の検討及び評価実験の計画を立案した。⑤研究成果の発表:平成27年度における本研究に関する主要な発表は,以下の1件である。
1.Social Edu 2015(ASE), “A Full-Body Interaction Game for Children with Hearing Disabilities to Gain the Immersive Experience in a Puppet Show”, 口頭発表,2015/08/18 平成27年度に得られた研究成果は,2016年7月に開催される15th International Conference on Computers Helping People with Special Needs(オーストリア)に投稿し,既に受理されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
技術開発に関しては,概ね順調に進められている。また,既に開発した複数人によるインタラクション機能は,聴覚障害児を対象とした評価実験の結果から,聴覚障害児の人形劇鑑賞体験における有効性が確認されている。これは,デザイン指針の一部について,その正当性が保証されていると見ることができる。 これらの成果について,既に特別支援技術に関する国際会議である15th International Conference on Computers Helping People with Special Needsにも投稿・受理されており,Springerから発刊される予定である。 以上より,本研究課題の進捗状況はおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は,以下の研究を計画している。①2回目の評価実験の実施と分析:改善されたインタフェースを実装したインクルーシブ人形劇システムを用いた評価実験を行い,得られた知見から,必要に応じてインタフェースを改善する。②平成27年度の評価実験を含む計2回の実験で得られたデータを分析し,システムの有効性を検討する。 平成28年度に得られた研究成果は,International Conference on Advances in Computer Entertainment Technology 2016(場所未定),日本科学教育学会第40回年会(大分),第32回日本教育工学会(場所未定),他1件において発表し,また,査読ありの学術誌『日本教育工学会論文誌』へ投稿する。
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Research Products
(2 results)