2017 Fiscal Year Annual Research Report
好白蟻性ハネカクシの多様性と寄主シロアリ社会利用の実態解明
Project/Area Number |
15J00725
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金尾 太輔 京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 未記載種 / 種多様性 / 系統関係 / 収斂形態 / 化学擬態 |
Outline of Annual Research Achievements |
オオシロアリを寄主とする好白蟻性ハネカクシの新属Hodotermopsiphilaを記載し、屋久島から2種、台湾から1種、台湾及びラオスから1種の合計4新種を記載した。また、モロッコよりヤマトシロアリ属シロアリを寄主とするTrichopsenius属ハネカクシを得て、アフリカから得られた本属初めての種として新種記載論文を執筆した。マレーシア連邦サラワク州で実施した野外調査では、これまでの調査で複数の未記載種が得られているアシナガシロアリの巣から更なる未記載種を発見した。
ヒゲブトハネカクシ亜科の15族に属する好白蟻性ハネカクシ74種について、6遺伝領域から合計5,279bpの情報を得て、先行研究でDNA情報が得られている155種とともに系統解析を実施した。その結果、ヒゲブトハネカクシ亜科において好白蟻性種は少なくとも独立に12回も進化していることが明らかとなり、好白蟻性種に見られるカブトガニ型および腹部肥大型という特殊な外部形態が明らかな収斂形態であることが示された。また、系統樹上ではアリの巣に住む好蟻性種と好白蟻性種が姉妹群として復元されているものがあり、社会性昆虫の巣への適応によって種や形態の多様化が促された進化的背景が推察された。
寄主シロアリの巣仲間認識を欺く戦略の一つと考えられる好白蟻性ハネカクシの化学擬態を検証するため、異なるシロアリを寄主とする複数の好白蟻性ハネカクシについて、体表炭化水素の分析を行った。その結果、ハネカクシは寄主シロアリと共通の炭化水素を有していることが確認された。本研究では、寄主シロアリとハネカクシ双方において分類群が大きく異なる種を対象としたため、好白蟻性ハネカクシは普遍的に化学擬態を行っている可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)