2015 Fiscal Year Annual Research Report
運動実施時間帯の違いが代謝応答および血中アディポカインに及ぼす影響
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15J01226
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
金 鉉基 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 最大脂質酸化量時運動強度 / 運動実施時間帯 / 最大脂質酸化量 / 血中ホルモン |
Outline of Annual Research Achievements |
運動中に脂質酸化量が最大値になる運動強度は最大脂質酸化量時運動強度(Fatmax)と呼ばれており、そのFatmaxはメタボリックシンドロームの予防や改善に最適な強度となる可能性が示されている。しかしながら、異なる運動実施時間帯と運動強度との関連性については課題が残されている。そこで、本研究では運動処方に最適な運動実施時間帯および強度を明確にするため、異なる運動実施時間帯における運動強度の違いが脂質酸化量に及ぼす影響について検討した。 定期的な運動習慣のない若年男性9 名を対象とした。本実験は4つの異なる運動条件(朝試行[9時~10時]および夕方試行[17時~18時])・(60%VO2max試行およびFatmax試行)からなり、すべての対象者に対し4試行を実施した。運動継続時間は、60%VO2max試行を1時間に設定し、Fatmax試行では運動中のエネルギー消費量が60%VO2max試行と等しくなるように調整した時間を被験者それぞれで決定した。主にエネルギー基質酸化および血中ホルモン(カテコラミン、成長ホルモン、コルチゾール)の測定を行った。 朝と夕方の一過性持久性運動で脂質代謝亢進に関与している血中ホルモンに相違が認められなかった。脂質代謝亢進に関与している血中ホルモン、そして脂質代謝産物である遊離脂肪酸(FFA)濃度が朝試行と比較して夕方試行で高値を示したものの、統計的な有意差は認められなかった。また、脂質酸化量は朝試行と夕方試行ともFatmax試行が60%VO2max試行に比べて有意に高値を示した。 これらの結果から、Fatmaxは長時間運動時において、60%VO2maxと比較して脂質をより効率よく酸化させる運動強度である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画とおり運動実施時間帯と運動強度の観点からデータの蓄積を行った。しかし、被験者の数が少なく、より詳細な検討のためには追加検討が必要であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
メタボリックシンドロームの予防・改善の観点から考えると、より長期的な運動実施時間帯の違いが代謝応答および血中アディポカインに及ぼす影響について検討する必要がある。そのため、今後は、運動実施時間帯の異なる長期間持久性運動時における代謝関連指標ならびに血中アディポカインに及ぼす影響について検討することを目的とし介入研究を行う予定である。
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Research Products
(4 results)