2016 Fiscal Year Annual Research Report
英語学習者の自動的なチャンク解析:プロセス・ストラテジーと解析を支える知識の関係
Project/Area Number |
15J01262
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
田中 菜採 山口県立大学, 国際文化学部, 講師
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 英文処理 / 一時的曖昧文 / チャンク解析 / 統語的複雑さ / 日本人英語学習者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本人英語学習者が文を理解する際に行う統語処理 (チャンク解析) を無意識的なチャンク解析プロセスと意識的な方略 (ストラテジー) の両面から検証することで、よりチャンク解析に成功している学習者はどのような統語的知識を習得しチャンクを無意識・意識的に処理しているかの知見と、指導のための示唆を得ることである。先行研究では、学習者のチャンク解析の自動性や無意識・意識的処理に注目されることが少なかった。平成27年度の研究では特に、チャンク解析の具体例として前置詞句の付加 (Prepositional Phrase attachment: PP attachment) の項目に絞り、その複雑さと学習者の理解・知識の関連を詳細に検証するため、2種類の実験を行った。その結果、日本人協力者は英語母語話者を対象とした実験とはやや異なる文法解釈を行っていた。 本年度は学習者が意識的に用いるストラテジーに焦点を当て思考発話法 (英文等を読んでいる際に考えていることを口頭で報告する) を文処理研究に応用して観察した。本年度に実施した実験4では平成27年度と同様の英文を使用した。(a)同一協力者がチャンク解析に成功した場合・失敗した場合, (b)個人差要因の異なる学習者間で、発話プロトコルのパターンにどのような違いがあるのかを比較検討した。この結果、学習者の文法熟達度によって異なる文法解釈が見られたため、文法解釈の傾向・バイアスは一定ではなく、学習者の熟達度が向上するにつれて母語話者の傾向に変化すると考えられる。また、読解後の課題は内容理解問題等の正答率に影響していなかったものの文処理プロセスそのものに影響していた。以上の結果を通じて、思考発話法の文処理研究への応用に関する提案を行った。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Supporting the maintenance of global coherence with situational instruction: Evidence from eye-movements during EFL reading.2017
Author(s)
Ushiro, Y., Hosoda, M, & Mori, Y., Tada, G., Kimura, Y., Tanaka, N., Nakagawa, H., & Amagai, Y.
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Journal Title
JACET Journal
Volume: 61
Pages: 89-107
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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