2015 Fiscal Year Annual Research Report
重い電子系人工超格子作製による新奇超伝導状態の創出
Project/Area Number |
15J01284
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
遠藤 僚太 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2016-03-31
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Keywords | 超伝導 / 重い電子系 / 超格子 / 分子線エピタキシー法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、分子線エピタキシー法で作製された、重い電子系超伝導体CeCoIn5および重い電子系反強磁性体CeRhIn5を用いて、様々な人工超格子を作製し、その物性を評価した。具体的には、①CeCoIn5と非磁性通常金属YbRhIn5とYbCoIn5の3種類の物質を用いることで、空間反転対称性の破れを人工的に導入したトリコロール超格子作製し、新奇超伝導状態を創出する研究と②CeCoIn5とCeRhIn5を用い、超伝導と反強磁性を交互に積層させたハイブリッド超格子を作製し、その物性を評価することで反強磁性が超伝導に与える影響を評価した研究である。①のトリコロール超格子では、上部臨界磁場の角度依存性と温度依存性でパウリ対破壊効果の抑制が観測された。これは、空間反転対称性の破れが超伝導状態に影響し、新奇超伝導状態が実現していることを示唆している。本研究は、今後空間反転対称性の破れをより精密に制御することにより、バルクの上部臨界磁場を越える可能性がある。②のハイブリッド超格子では、バルクよりも低温であるが、超伝導転移が確認され、超伝導と反強磁性の人工的な共存に成功した。さらに超伝導の隣接層が非磁性層であるCeCoIn5/YbCoIn5超格子よりも、隣接層が磁性層であるハイブリッド超格子の方が高温で超伝導転移した。これは磁性層であるCeRhIn5が非磁性層であるYbCoIn5よりも超伝導転移温度を高温にすることを示唆しており、今後磁性層の層数をより減らすことなどによって、磁性と超伝導の関係性を明らかにできる可能性がある。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Charge carrier dynamics of the heavy-fermion metal CeCoIn 5 probed by THz spectroscopy.2015
Author(s)
Uwe S. Pracht, Julian Simmendinger, Martin Dressel, Ryota Endo, Tatsuya Watashige, Yousuke Hanaoka, Masaaki Shimozawa, Takahito Terashima, Takasada Shibauchi, Yuji Matsuda, Marc Sheffler
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Journal Title
Journal of Magnetism and Magnetic Materials
Volume: September
Pages: online
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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