2017 Fiscal Year Annual Research Report
ケイ素錯体を基軸とした新規環拡張ポルフィリンの合成とその応用
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15J01295
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石田 真一郎 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 環拡張ポルフィリン / ケイ素錯体 / 安定ラジカル / 芳香族性 / 反芳香族性 |
Outline of Annual Research Achievements |
ピロール環を5つ以上有する環拡張ポルフィリンは、通常のポルフィリンとは異なり、巨大で柔軟なπ共役構造を有する点や、金属複核錯体を形成する点など数多くの興味深い物性を示すことから近年盛んに研究がなされている化合物群である。その特徴のひとつとして、複数の安定な酸化状態を有する点や芳香族-反芳香族性スイッチングが可能な点が挙げられる。そこで、環サイズの大きなオクタフィリンに着目し、そのケイ素錯体の合成を行った。得られた[38]-および[36]オクタフィリン-二核錯体([38]Si2、[36]Si2)はフリーベース体と同様の8の字型構造を有しており、それぞれ38π芳香族性、36π反芳香族性を示した。また、電気化学測定の結果から[38]Si2の第一酸化電位は0.20 V (Fc/Fc+基準)であり、フリーベース体(0.13 V)に比べて酸化されやすいことを見出した。この結果をもとに、[38]Si2に穏やかな一電子酸化剤であるFcPF6を作用させたところ、37π電子系を有したラジカルカチオン[37]Si2の生成を確認し、その単離に成功した。[37]Si2は不活性雰囲気下では十分に安定であり、X線結晶構造解析にも成功した。そのπ共役系における最大二面角およびHOMAの値は[38]Si2および[36]Si2の中間の値を示すことを実験的に明らかとした。奇数電子系を含む複数の連続した電子数を有した化合物の物性を比べた例は極めて珍しく、環状π共役系分子の基礎物性について重要な知見を与える結果である。 このほか、平面反芳香族性を示す5,20-ジベンゾイルヘキサフィリンの合成にも成功しており、その興味深い錯化挙動についてもいくつか有用な知見が得られた。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)