2015 Fiscal Year Annual Research Report
理想化モデルを用いた, 竜巻を模した渦の力学に関する研究
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15J01380
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松嶋 俊樹 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 無限領域 / スペクトル法 / 渦度の積分条件 / 渦輪 / 竜巻 |
Outline of Annual Research Achievements |
竜巻を模した渦の数値実験を行う上で必要となる, 下端境界条件に柔軟な半無限領域の高精度スペクトル法モデルを開発した. 非圧縮ナヴィエ-ストークス方程式を地面に粘着境界条件を課して解くとき, 粘性項の時間積分に陰解法を用いると 4 階の偏微分方程式を解く必要があるが, 水平方向あるいは鉛直方向に変数分離できないため大規模な問題を解かなければならない問題があった. 本研究では, 4階の偏微分方程式を2つの2階の偏微分方程式方程式に分解し, 水平方向の基底関数をうまく構築することで, 各スペクトルについて, 2つの2階の常微分方程式に帰着させることに成功した. また, 2つの2階の常微分方程式それぞれ独立に求解できるように, 渦度の積分制約条件を導出した. 鉛直方向の展開にはチェビシェフ項式を用いるが, 異なる境界条件についても柔軟に解くことを可能にするため, 展開に工夫を施し, さらに境界値の精度を改善する手法を開発した. 開発した数値モデルは従来の手法に比べ高解像度の数値実験では劇的に精度が改善されており, 軸対称の数値計算においては10240(水平)×2560(鉛直)の格子点を確保した高解像度の数値計算が可能となった. また, 開発した数値モデルの検証として, 渦輪の壁衝突の数値実験も行った. 以上の成果は, 現在投稿論文として執筆中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
竜巻を模した渦の数値実験については遅れているが, 数値モデルの開発については期待以上の進展が見られたため.
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Strategy for Future Research Activity |
速度場の境界条件の代わりに渦度場の積分条件を導入したことにより, 渦に対する粘着境界条件の影響について研究の新たな方向性が見えてきているため, 竜巻を模した渦の数値実験の進捗によっては, そちらを優先して行う可能性がある.
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Research Products
(4 results)