2015 Fiscal Year Annual Research Report
星型ブロックコポリマーの新規精密合成法および溶液物性に関する研究
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15J01471
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
菊地 誠也 北海道大学, 総合化学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 末端官能基化 / 星型ポリマー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題を遂行するにあたり、まず、特殊構造化およびブロック共重合体化に有用な末端官能基化ポリマーの合成法開発を行った。ブロック共重合体合成法のひとつに、異なる種類のポリマーを合成したのち高分子反応等を用いてカップリングさせる方法がある。本手法は全く異なる種類のポリマー同士からなる共重合体合成に対して非常に有効であり、反応性基を末端に有する官能基化ポリマーが合成可能であれば共重合体合成可能となる。さらに、末端官能基化ポリマーは星型や大環状といったような特殊構造ポリマーの合成にも有用であり、研究課題の遂行には非常に重要である。一方、開始末端および停止末端の両方に官能基を定量的に導入した報告例は少なく、特に、代表的な水溶性ポリマーであるポリアクリルアミドの両末端官能基化に関しては非常に少ない。そこで、本研究では、グループトランスファー重合 (GTP) を用いた両末端官能基化ポリアクリルアミドの合成を目的とした。 官能基化したシリルケテンアミナールを新規に設計することにより、開始末端にヒドロキシル基、エチニル基、およびアリル基をそれぞれ有するポリアクリルアミドの合成を達成した。また、停止反応に2-フェニルアクリル酸エステルを用いることにより、停止末端にヒドロキシル基、エチニル基、およびブロモ基をそれぞれ定量的に導入可能であった。さらに、停止末端に導入されたブロモ基の変換反応によりアジド基への定量的な変換が確認された。以上の結果より、ポリアクリルアミドの両末端へ反応性基を定量的に導入でき、ブロック共重合体合成や特殊構造化ポリマー合成への足がかりとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題遂行にあたり、最も重要な点は特殊構造ブロック共重合体の精密合成であり、その特殊構造化およびブロック共重合体化の双方において末端が明確に制御されたポリマーを合成することが解決すべき課題である。今年度はグループトランスファー重合という重合法を用いてポリ二置換アクリルアミドの開始末端および停止末端の両末端に反応性官能基の定量的な導入を可能にした。これより、本手法で合成した末端官能基化ポリ二置換アクリルアミドを用いた特殊構造化およびブロック共重合体化が期待できる。以上より、本研究課題は順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の末端官能基ポリマーを駆使し、星型両親水性ブロック共重合体合成を行っていく予定である。また、その合成したポリマーの水溶液に対して、動的光散乱、静的光散乱、および高感度示差走査熱量測定等を用い、溶液物性について詳細に評価する予定である。
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Research Products
(5 results)