2017 Fiscal Year Annual Research Report
資源量変動を考慮したアカイカ分布場推定モデルの開発
Project/Area Number |
15J01506
|
Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
西川 悠 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球情報基盤センター, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
|
Keywords | 回遊モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、一昨年度と昨年度に収集した小型浮魚の成長・回遊モデルの知見をもとに、アカイカの成長・回遊モデルを作成し、親潮域から黒潮域にかけて南下する過程で冬季東北沖漁場に蝟集するアカイカの分布場を推定した。 1. アカイカ成長・回遊モデルの東北沖におけるパフォーマンス 最初に、物理-低次生態系結合モデルから得られる水温・動物プランクトン分布に基づきアカイカの体重が変化するバイオエナジェティクス型成長モデルを作成した。そして複数の回遊モデル(Restricted area search・Kinesis・Extended Kinesis・Run and Tumble)と組み合わせ、成長・回遊シミュレーションを行った。特に適切に好適環境へ向けて南下するか、数百mに及ぶ日収鉛直移動というアカイカ特有の遊泳行動が成長にどのような影響が出るかを調べた。その結果、親潮の南下がアカイカの南下を後押しする傾向が見られた。また、亜表層への日周鉛直移動があると、水温の低下に伴い成長速度が大きく落ちることがわかった。 2. 東北沖渦周縁での分布 上記のモデルのうち最も現実的なRestricted area searchモデルを用いて、アカイカ漁場が形成されやすい東北沖の渦周縁ではアカイカがどのように集まるかを調べた。回遊行動や背景にある流速場を解析したところ、アカイカは収束渦に巻き込まれる形で渦周縁に蝟集する傾向が見られた。ただしアカイカは日周鉛直移動を行うため、渦が浅ければ渦周縁から離脱する確率が高くなり、渦の蝟集効果は弱くなる。これまでの研究から渦の性質によって蝟集効果が変わる可能性が指摘されてきたが(Igarashi et al., 2015)、その理由を示したのは本研究が初めてである。この結果は、今後東北沖におけるアカイカの漁場予測を行う上で役立つことが期待される。
|
Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(2 results)