2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15J01523
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
森 雄飛 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
|
Keywords | Ni基単結晶超合金 / イリジウム / クリープ強度 / ラフト組織 / 界面転位網 / 格子定数ミスフィット / TCP相 / 凝固組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
Ni基単結晶超合金の更なるクリープ強度向上を意図し,ミクロ組織及び高温特性に対するRuをIrに置換した影響を解明することを目的として研究を行い,次の(1)-(3)の成果を得た. (1)世界最高の耐用温度を有するNi基単結晶超合金:TMS-238中のRuをIrにそれぞれ100%,50%置換した合金と,その100%Ir置換合金に対応するγ及びγ’単相合金を設計した.各合金を一方向凝固させた後,As-Cast材をSEM観察した.本研究のγ単相合金と2相合金の2次デンドライトは相異なる4方位に成長する一方,γ’単相合金は8方位に成長することを明らかにした.本成果は,日本鋳造工学会にて発表したほか,J. Crys. Growthに投稿予定である. (2)TMS-238,50%Ir置換及び100%Ir置換合金に溶体化・時効処理を施した後,クリープ試験(900℃-392MPa,1150℃-137MPa)を行い,破断試料をSEM・TEM観察した.Ir置換量が増加するに従い,900℃クリープ強度が向上した.この理由は,Ir置換によりTCP相の析出が抑制されるとともに,γ’相が立方体形状を保ちやすくなるためと考えられる.一方,100%Ir置換では1150℃クリープ寿命が急激に短くなった.この原因が,Ir置換によりγ/γ’界面転位網が粗くなり変形しやすくなるためであることを明らかにした.本成果は,国際学会(PRICM9)にて発表することが決定している. (3)TMS-238及び100%Ir置換合金の900℃-1200℃下におけるTCP相析出に関するTTT線図を作成した.このTTT線図より,Ir置換するとTCP相の析出開始が速度論的に遅延することを明らかにした.本成果の日本金属学会でのポスター発表に対し,優秀ポスター賞が授与された.また,本成果についての論文をMater. Trans.に投稿中である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成27年度に実施予定であった研究(9.-(1)及び(2))を全て完遂させた.これらに加え,9.-(3)も明らかにした.
|
Strategy for Future Research Activity |
γ/γ’界面転位網の粗さを決定するγ相とγ’相の格子定数ミスフィットを,高温X線回折装置を用いて実測する.これにより,Ni基単結晶超合金中のRuをIrに置換すると,γ/γ’格子定数ミスフィットが緩和してγ/γ’界面転位網が粗くなることを実験的に明らかにする予定である.
|
Research Products
(3 results)