2015 Fiscal Year Annual Research Report
共有結合性ナノファイバーを用いる音響配向モデルの構築
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15J01664
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
堀田 泰久 神戸大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 超分子ナノファイバー / 分子集合体 / 超分子ポリマー |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、まず最初に既知のペリレンビスイミド骨格を有する超分子ナノファイバーで音響配向挙動の定量化を図った。結果として、希薄条件下において超分子モノマーの濃度と音響誘起LD強度には正の相関があることがわかった。しかし、一定よりも高濃度下においては著しい音響誘起LD強度の減衰がみられた。これはファイバーが高度にバンドル化することで配向に必要な力が大きくなり、音で生じるような微弱な流れでは配向できなくなったものと考えられる。また、Meijerらによって報告されている紫外可視吸収スペクトルから平均超分子重合度を算出し、音響誘起LD強度との相関を調査したが、明確な相関は見られなかった。この結果から、これまでに議論されていた超分子重合過程は、色素部位のスタックのみに注目したものであり、ファイバーのバンドル化を無視しており、微弱な力で生じる配向にはバンドルの形成が支配的な影響を与えていることが判明した。 続いて、申請書記載のモノマーの合成に取り組んだが、進捗は好ましくなく、合成が困難であることがわかった。そこで、共有結合を形成する箇所をペリレンビスイミドのベイ部位からイミド部位に変更した新たなモノマーを設計した。リンカーをフェニレンジアミンにしたポリマーで、自然対流による強いLDスペクトルが観測され、ポリマーの配向が示唆されているが、ポリマーの溶解性が低いため、定量的な測定には至っていない。現在は溶解性の向上を図った改良型のモノマーの合成に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画していた合成がうまくいかず、調査のプローブとなる分子の創製に至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はポルフィリンーペリレンビスイミドの環状四量体を合成し、配位結合性の超分子ポリマーの創製を目指す。配位環境や錯形成定数の調整を行い、目標とするモデル構築に取り組む。
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Research Products
(2 results)