2017 Fiscal Year Annual Research Report
分裂期細胞死による、発がん防御機構・生殖細胞の維持機構の解明
Project/Area Number |
15J01706
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
田上 友貴 熊本大学, 医学教育部, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | Chk2 / Rad18 / UV / 皮膚がん / DNA損傷 |
Outline of Annual Research Achievements |
DNAポリメラーゼEta(Polη)の欠損は、色素性乾皮症バリアント(XP-V)を引き起こす。Rad18遺伝子の異常もXP-Vの原因である可能性がある。また、Rad18とChk2には遺伝的相互作用があると考えられる。マウスChk2およびヒトCHEK2はがん抑制遺伝子であり、欧米の人口の0.2-0.5%はへテロでCHEK2機能不全遺伝子をもつことが知られており、メラノーマなどのリスクが約2倍になることが知られている。しかしUV照射による皮膚がん発症において、CHEK2機能不全遺伝子がリスク要因であるか報告されていない。UV照射による皮膚がん形成試験およびマウス由来細胞を用いた細胞周期制御、細胞死の誘導、ゲノムDNAの安定性維持について調べることで、Rad18またはChk2がUV照射による皮膚がんの形成を抑制する機構を明らかにした。 マウス皮膚がん形成試験により、UV照射由来の皮膚がん発症に関してRad18機能不全はリスク要因ではないが、Chk2/Chek2機能不全はリスク要因であることが示された。UV照射によりDNAが損傷され複製フォークの進行が停止すると、DNA鎖が切断される。切断したDNA鎖によりChk2/CHEK2が活性化しG1 / S期での細胞周期を停止することによって、損傷したDNA鎖を修復するための時間が確保され、それとともにアポトーシスを誘導することで損傷の程度が高い細胞を排除し、ゲノムの安定性を保つことが明らかとなった。 今回の研究により、Chk2遺伝子をホモで欠損すると、UV照射による皮膚がん形成のリスクが有意に高くなる結果が得られたため、少なくともCHEK2機能不全遺伝子をホモでもつヒトは、日光暴露に対して注意する必要があることが推測される。これが臨床の場において検証され、CHEK2機能不全遺伝子をホモでもつヒトに対する生活指導につながることが期待される。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] DNA repair factor RAD18 and DNA polymerase Polκ confer tolerance of oncogenic DNA replication stress2017
Author(s)
Yang Yang, Yanzhe Gao, Liz Mutter-Rottmayer, Anastasia Zlatanou, Michael Durando, Weimin Ding, David Wyatt, Dale Ramsden, Yuki Tanoue, Satoshi Tateishi, and Cyrus Vaziri
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Journal Title
The Journal of Cell Biology
Volume: 216(10)
Pages: 3097-3115
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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