2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15J01714
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
仲村 佳悟 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | ニュートリノ / 陽子加速器 |
Outline of Annual Research Achievements |
T2K実験は茨城県東海村でニュートリノビームを生成し、岐阜県神岡町にあるスーパーカミオカンデ検出器で観測することでニュートリノ振動を精密に測定する実験である。ニュートリノと反ニュートリノの振動の違いを測定することでレプトンでのCP対称性の探索を目指している。精密に振動を測定するためにはより多くのニュートリノを測定する必要があり、ニュートリノビームを生成する陽子加速器の増強がCP非対称性発見に向けて非常に重要である。 本研究ではJ-PARC大強度陽子加速器実験施設の主リングの大強度化に向けた研究に従事している。特に加速器をの重要なパラメータの一つであるベータ関数を新たな手法を用いて加速中まで測定し、その測定結果を元に運転パラメータを補正することで去年度から引き続き行い、昨年度と比較して更に約80kWのビーム増強に成功した。このビームを用いることで一年間でこれまでの約2倍のニュートリノデータを取得することができた。 また、今年度から新しくパイオン崩壊を伴うニュートリノ反応モードを信号事象として振動解析に入れ込んでおりこの事象の大きな系統誤差になると思われているパイ中間子の運動学から系統誤差を削減するための解析を行った。 これまでのニュートリノモードでのデータを反ニュートリノモードでのデータを同時に解析することでレプトンにおいて世界で初めてCP対称性が破れている可能性を90%の信頼度で測定することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度と比較して更に約80kWのビーム増強に成功した。このビームを用いることで一年間でこれまでの約2倍のニュートリノデータを取得することができた。 これまでのニュートリノモードでのデータを反ニュートリノモードでのデータを同時に解析することでレプトンにおいて世界で初めてCP対称性が破れている可能性を90%の信頼度で測定することに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
新しくパイオン崩壊を伴うニュートリノ反応モードを信号事象として振動解析に入れ込んでおりこの事象の大きな系統誤差になると思われているパイ中間子の運動学から系統誤差を削減するための解析を引き続き行う予定である。 前置検出器でのパイオン運動学を測定し、スーパーカミオカンデに外挿することで振動解析でのパイオン中間子の系統誤差をみつもり、来年度の振動解析の系統誤差を更新する。
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Research Products
(3 results)