2015 Fiscal Year Annual Research Report
脳の生体イメージングによる歯周病と認知障害との関連性の解析
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15J01823
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高山 扶美子 九州大学, 歯学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | ミクログリア / porphyromonas gingivalis / Uridine 5'-diphosphate / P2Y6受容体 / 概日リズム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、歯周病が脳内に及ぼす影響を直接的かつ時系列で解析することで脳炎症惹起メカニズムを明らかにすることを目的としている。本年度は、歯周病菌(porphyromonas gingivalis; P.g菌)を脳内に直接注入した際、ミクログリア突起がその周囲に即座に集積することを明らかにした。さらに、菌に対するミクログリア突起の伸展反応は、明期と暗期で優位な差を認め、明期よりも暗期において反応性が増大していた。また、P.g菌以外の菌に対しても同様の反応性が見られた。さらに核酸加水分解酵素であるapyraseの前投与によりミクログリアの突起伸展は完全に抑制され、P2Y6受容体特異的阻害剤によってもその反応は阻害された。P2Y6受容体のagonistであるUridine 5'-diphosphate(UDP)の局所注入によってもミクログリア突起の伸展反応が認められたことから、菌に対するミクログリア突起伸展反応はP2Y6受容体により制御されていることが示唆された。P2Y6の影響を検討するため、P2Y6のSiRNAによるノックダウンを行ったところ、P.g菌に対するミクログリア突起の伸展反応は優位に抑制された。一方ミクログリアのP2Y6RのmRNAの発現に概日リズムが認められ、菌に対する突起伸展の反応性が低い暗期ではP2Y6Rの発現が低く、菌に対するミクログリア突起伸展の反応性の日内変化に一致していた。さらに、ミクログリアと種々の菌を共培養したところ、ミクログリアからのUDPの分泌が確認された。 以上の結果から、菌が脳内へ侵入した際、近傍のミクログリアがUDPを分泌し、さらにその周囲のミクログリアがUDPを目印に突起を伸展させ、侵入部位に集積することが示唆された。そしてその反応はミクログリアの内在性時計制御下でP2Y6受容体によって調節されていることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した研究実施項目をおおむね実施することができ、予測していた以上の研究成果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、歯周病菌とアルツハイマー病との関連性についてさらに詳細に検討を重ねていく予定である。
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Research Products
(1 results)