2017 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙線の加速機構に迫るX線SOIピクセル検出器の開発
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15J01842
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松村 英晃 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 超新星残骸 / SOIピクセル検出器 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、超新星残骸 IC 443の天体解析および、イベント駆動型SOIピクセル検出器 XRPIXのエネルギー分解能向上のための素子開発を行った。 昨年度の研究により、超新星残骸 G166.0+4.3 の分子雲が相互作用している領域から再結合優勢な過電離プラズマを発見し、過電離プラズマの生成起源が冷たい分子雲との熱伝導であると結論付けた。他の超新星残骸も同様に調査するため、IC 443 に着目した。IC 443 は分子雲と相互作用している超新星残骸であり、先行研究より中心領域から過電離プラズマが発見されている。しかし、分子雲と接触している領域のプラズマの状態は調査されていない。私の解析によって、この領域もプラズマが過電離状態であることを確認た。また、期待していた通りこのプラズマの電子温度は、他の領域よりも優位に低い値であった。G166.0+4.3 の結果と同じく、過電離プラズマの起源が分子雲との熱伝導であることを強く示唆する結果である。本研究については、国際学会の口頭発表および主著論文としてで報告した。 素子開発については、素子の大面積化とエネルギー分解能の向上に務めた。サイズが 15.3 mm x 21.9 mm (二枚並べることで衛星搭載要求性能達成) の大面積素子を開発し、性能評価を行った。素子の全ての領域から正常なスペクトルが取得できることを確認した。また、エネルギー分解能の向上を目的としてDoble SOI 構造を導入し、回路層とセンサー層の容量結合を遮断した素子の開発を行った。この素子でイベント駆動読み出しにてエネルギー分解能 346 eV at 6.4 keV のスペクトル性能を達成し衛星搭載の要求性能 300 eV at 6 keV に大きく近づいた。これらの結果は国際学会の口頭発表で報告し、共著論文にて執筆中である。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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