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2017 Fiscal Year Annual Research Report

季吟門連句の研究

Research Project

Project/Area Number 15J02222
Research InstitutionNational Institute of Japanese Literature

Principal Investigator

野村 亞住  国文学研究資料館, 研究部, 特別研究員(PD)

Project Period (FY) 2015-04-24 – 2019-03-31
Keywords連句 / 俳諧 / 季語 / 季吟
Outline of Annual Research Achievements

本年度前半は、前年度から引き続き季吟門連句のデータベースの基礎となる翻刻作業および翻字確認作業を行った。そのうえで、句・作者のほかに、季語・季節や興行時期・連衆などを一覧できるデータベースの作成に努めた。季語の認定に際しては、当時の季寄せ・歳時記類や辞書・歌学書等、季吟の著作物を用いて特に慎重に行った。
その結果、未翻刻の資料は数冊を残すのみとなり、おおむねこの作業は終了し、データベースの有効句数は11000句を蓄積した。そのため後半からは、このデータベースを用いて、季吟門連句の季の扱いを分析する作業に入った。この分析作業は、初年時に、産前産後の研究中断制度を利用した関係で研究期間が残されているため、現在進行中であるが、以下にその具体的内容を示す。
現在、この季吟門連句のデータベースから季吟門連句の目立った季の傾向を抽出し、季吟門の季の特徴を明らかにしようと試みている。季吟門連句で多く使われた季語や、季寄せ類に載録される伝統的な季語であるにも関わらず用いられない季語からは、季吟門連句の季の傾向がみてとれる。また、季の句を構成する特殊な季の言い回しや語の組み合わせ、および、新たな季語の生成の可能性の検討を含めて、当時の季寄せ類や歌学書等、季吟の著作物での言説との比較を通して考察した。これにより、季吟門連句の季の扱いがいかなるものであるか明らかになった。なお、これには、データベースの有効句数に含まれなかった、異型句や点評や傍注等の参考資料が大いに役立ち、季吟門の点評の傾向分析もまた、季吟門連句の分析において重要であることを再認した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

調査対象の連句データベース化がほぼ完了し、有効データ数が10000句を超えた。現在、それに基づいて、季吟門連句の分析を行っている。

Strategy for Future Research Activity

引き続き、作成した季吟門連句のデータベースの解析を進める。その中で明らかになった季吟門連句の季の扱いを、時代的変遷の中でどう位置づけるかという観点で考察を行う。この比較の対照として、『貞徳翁独吟百韻自注』や『俳諧御傘』『山の井』等にみえる貞徳の季の扱いと、自身で作成した芭蕉一座連句のデータベースを用いて、季の傾向の推移を考察する。三者間に共通して見られる季の扱い方や相違点を考察する中で、季の認定や季の解釈についての傾向や時代的変遷、当時の季寄せ・歳時記類の載録との相関関係明らかにし、季吟門連句の季の扱いの解明に努めていきたい。

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Published: 2018-12-17  

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