2016 Fiscal Year Annual Research Report
シグマ陽子散乱実験による斥力芯の起源解明とバリオン間力の研究
Project/Area Number |
15J02306
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
赤澤 雄也 東北大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
|
Keywords | 核力研究 / 検出器開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
核力における斥力芯の起源解明とバリオン間相互作用の研究のために、加速器施設J-PARCにおいてΣp散乱実験を計画している。前年度においては、実験遂行に必須となる新型散乱陽子検出器群(以下CATCHと呼ぶ)の開発を大きく推進した。この進展を受けて、平成28年度においてはCATCH実機の制作の完了とCATCHシステムを用いた新たな核力研究のための実験を行った。 CATCHは円筒形ファイバー飛跡検出器とBGOカロリメータから構成されており、標的から放出される複数の荷電粒子の飛跡とファイバーでのエネルギー損失・全運動エネルギーを大立体角で測定する画期的なシステムであるが、平成28年度においてCATCH実機の制作を完了させることができた。ここでCATCHシステムの各構成要素が出来上がったので、次にこれらを固定する架台の製作や、データ読み出し・制御を含めたシステム全体の構築を行った。 以上でCATCHシステムの開発を完了させることができたが、J-PARCでの実験計画の都合と準備状況により、平成28年度中にΣp散乱実験を遂行することは叶わなかった。しかし、今回完成させたCATCHシステムを用いた実験として、陽子-重陽子弾性散乱・break-up反応断面積の測定実験を東北大学CYRICにおいて行うことを計画し、実際にこれを行った。この反応からは3核子系ではじめて生じる三体核力の強さや性質について調べるプローブとして有用なデータが得られると考えられる。実験結果については現在解析中である。 このように、CATCHシステムは当初の計画のΣp散乱実験に留まらず、バリオン間力研究のための他実験への応用の可能性を示すことができた。また、この実験によってCATCHシステムを組み上げ、実際に動作させたこともΣp散乱実験に向けての大きな前進となった。現在はJ-PARCでのΣp散乱実験の準備も着々と進めている。
|
Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(3 results)
-
[Presentation] 3体核力研究のための80MeV陽子ビームを用いた陽子-重陽子弾性散乱及びbreak-up反応断面積の測定実験2017
Author(s)
赤澤雄也, 三輪浩司, 田村裕和, 小池武志, 関口仁子, 三木謙二郎, 藤田真奈美, 池田迪彦, 小澤祥太郎, 叶内萌香, 石川勇二, 藤岡徳菜, 本多良太郎, 中田祥之, 小林和矢
Organizer
日本物理学会第72回年次大会
Place of Presentation
大阪大学豊中キャンパス(大阪府豊中市)
Year and Date
2017-03-20 – 2017-03-20
-
-
[Presentation] Study of three-nucleon force with a new experiment of a proton-deuteron break-up reaction2016
Author(s)
Yuya Akazawa, M. Fujita, R. Honda, M. Ikeda, H. Kanauchi, K. Kobayashi, T.Koike, K. Miki, K. Miwa, Y. Nakada, S. Ozawa, Y. Sasaki, K. Sekiguchi, H. Tamura
Organizer
Neutron Star Matter (NSMAT2016)
Place of Presentation
東北大学(宮城県仙台市)
Year and Date
2016-11-22 – 2016-11-22
Int'l Joint Research