2015 Fiscal Year Annual Research Report
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15J02584
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中井 幸衛 北海道大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 幼少期ストレス / 気質 / 抑うつ |
Outline of Annual Research Achievements |
うつ病の危険因子として、遺伝素因、性差、幼少期ストレス、気質、成人期ストレスなどがこれまで報告されてきた。中井ら(2014)は、一般成人において、幼少期ストレス、気質、成人期ストレスの3因子の抑うつ症状に対する複雑な相互関係を共分散構造解析で解析した。その結果、幼少期ストレスは抑うつ・循環・不安・焦燥の4気質を介して抑うつ症状を増強し、気質は直接に成人期ストレスの感受性と抑うつ症状を増強することが明らかにした。しかし、抑うつ症状発現に対して、幼少期ストレスとどの気質が相互に影響しあうのか、あるいは、どの気質と成人期ストレスが相互に影響しあうのかは、共分散構造解析で解析することができなかった。よって本年は、一般成人において、幼少期ストレスと気質、成人期ストレスと気質が抑うつ症状に対して正(増強する)あるいは負(減弱する)の交互作用を示すか否かを重回帰分析によって検討した。発揚気質自体は抑うつ症状には影響しなかったが、幼少期ストレスや成人期ストレスによる抑うつ症状増強を発揚気質は緩和した。一方、抑うつ気質と焦燥気質はそれ自体が抑うつ症状を増強するとともに、幼少期ストレスや成人期ストレスによる抑うつ症状増強をさらに増強した。以上の結果から、抑うつ気質と焦燥気質は個体の脆弱性と、発揚気質は個体のレジリアンスと関連している可能性が示唆された。 以上の結果はJournal of Affective Disorders誌に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
幼少期のストレス、成人期のストレス、気質など一般成人の不安、抑うつ、気分障害に関連することが我々のこれまでの研究により明らかになった。これらをさらに深めるために平成27年度は質問紙の数を増やし一般成人853名に配布、457名の回答が得られた。 現在は質問紙の入力が完了し、解析途中であることから研究は順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
幼少期のストレスが自尊心低下、対人関係過敏性亢進を惹起し、TEMPSの気質と関連し、不安抑うつを増強し、well-beingを低下させるという仮説を検証すると共に、neuroticism、TCIとストレス・虐待との関連も並行して検討する。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] The moderator effects of affective temperaments, childhood abuse and adult stressful life events on depressive symptoms in the nonclinical general adult population2015
Author(s)
Yukiei Nakai, Takeshi Inoue*, Hiroyuki Toda, Atsuhito Toyomaki, Yasuya Nakato, Shin Nakagawa, Yuji Kitaichi, Rie Kameyama, Yumi Wakatsuki, Kan Kitagawa, Chong Chen, Hajime Tanabe, Ichiro Kusumi
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Journal Title
Journal of Affective Disorders
Volume: 187
Pages: 203-210
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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