2016 Fiscal Year Annual Research Report
ベトナムの観光地サパにおけるモン族女性が創るつながりの研究
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15J02624
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
今井 彬暁 総合研究大学院大学, 文化科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | モン族 / 親族研究 / つながり / ベトナム |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、フィールド調査に基づくデータ収集を実施し、さらに得られたデータを基にこれまでの研究成果を2本の投稿論文としてまとめ、公表した。 フィールド調査は、2度にわたる延べ約4カ月の滞在型調査を実施した。村落部における儀礼や農作業の参与観察、および村の社会関係に関する聞き取り調査を実施することで、モン族社会の基盤をなす親族関係についての理解を深めた。また、モン族女性が携わる町での観光客への土産物販売について参与観察を行い、急速に変化する社会環境下における彼女らの適応のあり方を調査した。 当該年度の後半には、これまでの調査で得られたデータをまとめ、日本およびベトナムの学術雑誌へ論文を投稿した。ベトナムの学術雑誌へ投稿した論文では、モン族の祖先祭祀の実施時期、実施手順、および実施者について、詳細に記述し、祖先祭祀がモン族社会において有する意義について論じた。このベトナム語論文により、観光地としてますます注目を集めるサパのモン族に関するこれまでの調査結果をベトナム社会へと公表し、現地の人々の様々な協力により得られたデータを還元することができた。日本語論文では、モン族の祖先祭祀の実践に着目し、モン族の親族関係を社会人類学の近年の親族理論の発展の中に位置付けて分析した。これにより、インドシナ半島および西洋諸国に散住するディアスポラの民族として知られるモン族の研究に対して、最新かつ詳細なデータを提示するかたちで貢献するとともに、社会人類学における近年の親族研究の蓄積に対しても具体的な事例を付け加えることができた。 今後の研究では、観光客数が増加の一途をたどるベトナムの観光地サパにおけるモン族のつながり方や関係の紡ぎ方についての研究を継続し、現代のベトナム社会において一少数民族が置かれた状況およびその変化についての記述を続けていく。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)