2017 Fiscal Year Annual Research Report
トニ・モリスンの9.11以降の作品における外傷的記憶の「証言」と「情動操作」
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15J02741
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
五十嵐 舞 一橋大学, 大学院社会学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | ジュディス・バトラー / トニ・モリスン / フェミニズム / クィア / 映画批評 / 精神分析 / フロイト / ジェンダー |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、研究報告、分担執筆した書籍の校正、論文執筆、現地調査、及びアウトリーチ活動として市民講座の講師を行った。 研究報告は、6月18日に中京大学で開催された日本女性学会大会の個人研究発表にて、「痛みへの愛着の可能性――愛する他者を喪失するという文脈から」という題目で行った。映画『愛しい人が眠るまで』(1991)に描かれる女性の欲望を、フロイトの精神分析理論を用いて分析し、欲望の規範化の作用について論じた。学会報告の際に得た指摘を踏まえ、いくつかの類似する題材の映画の分析を通じて、欲望の規範化作用について検討した論文を執筆した。現在、投稿先を検討中である。 フェミニズムや女性学について研究を担ってきた研究者へのインタビュー集『ジェンダー研究を継承する』の出版に向けて校正を重ね、人文書院から10月に刊行された。(なお、これは一橋大学の佐藤文香教授と伊藤るり教授を中心とする「先端課題研究14 ジェンダー研究の過去・現在・未来―女性学・ジェンダー研究のパイオニアに対する聞き取り調査を中心に」というプロジェクトに属するものである。) 現地調査は、3月6日から3月19日にアメリカ合衆国に出張した。カリフォルニア大学図書館やニューヨーク公立図書館等で調査し、モリスンの作品に関連する資料や、フェミニズム運動に関する資料の入手等を行った。 市民講座は、6月7日に練馬区立男女共同参画センターえーるにて、「施策から考える“求められる”女性・LGBTの姿」という題目で、近年の自治体による性的少数者や女性に関連する施策が直面する課題について解説等を行った。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)