2015 Fiscal Year Annual Research Report
米軍統治下沖縄におけるラジオ・メディアと地域住民側の受容をめぐる実証的研究
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15J03264
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大城 由希江 神戸大学, 大学院国際文化学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 沖縄現代史 / メディア史 / ラジオ放送 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、これまでの沖縄現代史に置いてアポリアであった米軍統治時代のラジオ政策を実証面で深化させるとともに、冷戦下沖縄のメディアと文化政治、人びとのラジオ文化受容との関係に注目し、住民側のラジオ受容と地域文化の変容を総合的実証的に明らかにすることである。 本年度は、主に当該テーマに関わる資料の所在調査と収集に取り組んだ。国外においては、沖縄米軍占領期の一次公文書を包括的に所蔵している米国国立公文書館新館において、文書調査とラジオ音源調査を実施した。この調査では、沖縄のラジオ政策にとどまらず、冷戦期米国の文化政策に関する新資料を多数発見し、収集できた。また国内においては、沖縄県公文書館、那覇市歴史博物館、沖縄県立図書館、国立国会図書館等で、資料調査と収集に取り組んだ。特に占領期間中の地元新聞に関して、ラジオ放送に関わる報道の悉皆調査を行った。以上のとおり多数の資料機関における調査により、行政側のラジオ政策と、住民側のラジオ認識に関して新たな知見を得た。 本年度は資料調査を進めるとともに、研究発表にも力をいれた。単著論文を執筆するとともに、国内外で口頭発表を行う等、研究を広く発表するように努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
資料収集については、おおむね研究計画のとおり、本研究の核となる史資料を国内外の資料機関において収集することができた。研究成果については、住民の生活文化としてのラジオ・メディアに焦点を当てた論文を執筆したが、これは東アジアのラジオ放送史に関わる研究をまとめた論文集の中で沖縄の事例として位置付けられ、刊行された。このように資料調査と研究発表のどちらもおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に収集した資料の整理・分析を進め、その成果を積極的に発表していくよう努める。それとともに、来年度は研究課題の最終年度に当たるため、当該テーマを総括的にまとめた論文執筆を推進していくことを計画している。
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