2017 Fiscal Year Annual Research Report
光・電流同期計測系によるがん細胞由来エクソソームの解析
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15J03490
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
矢崎 啓寿 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | マイクロポア / バクテリア / イオン電流計測 / 電場耐性 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、がん細胞由来エクソソーム解析の基盤となるイオン電流計測法によって得られる電流シグナルが、生体サンプルの電場耐性を反映することを明らかにした。従来のイオン電流計測法で得られる電流シグナルは、計測部を通過する生体サンプルのサイズ情報のみを反映すると考えられており、同サイズ・同形状のサンプルを識別することは不可能とされてきた。本研究では、イオン電流計測を行うための電気回路を改良し、ブリッジ回路型の電気回路をとすることで、高電場を印加しながら電流シグナルの僅かな変化の読み取りを可能とした。この回路を用いて、印加電場に対するサンプルの耐性が、得られる電流シグナルに反映されることを世界で初めて発見した。実験では、昨年度までに検討を行った微細加工技術を用いて作製したマイクロ流体デバイスを使用して、約2 kV/cmの電場を計測部に印加した。がん細胞由来エクソソームと同様に脂質二重膜を持つ細菌細胞をモデルサンプルとして用いた実証実験に成功した。この発見により、従来法で識別不可能であった同形状の細菌細胞を、電流シグナルの形状を元に識別することが可能となった。この技術は、印加電場による細胞膜損傷部からイオンを含む細胞質が漏出する現象を捉えるものであり、細菌細胞にとどまらず、高電場印加によって損傷する生体サンプル全般への適用が可能であることが予想される。従って本研究によって得られた成果は、本件研究の分析対象であるがん細胞由来エクソソームを解析する際に、サイズだけでなく電場耐性をも同時に検出可能とするものであり、従来の検出技術では得られない新たな知見を得ることに貢献することが期待される。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)