2015 Fiscal Year Annual Research Report
統計的生物数理モデルを用いた脳動脈瘤ロバスト検出システム
Project/Area Number |
15J03586
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
キン タク 九州大学, 医学系学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | コンピューター支援診断 / 脳動脈瘤 / MRA / 選択的強調フィルタ |
Outline of Annual Research Achievements |
1) 症例収集と脳動脈瘤形状分布モデル構築 本研究はすでに産業医科大学病院倫理委員会と九州大学病院倫理委員会の承認を得ている。産業医科大学の興梠征典教授と協力して、無症候性脳動脈瘤患者のMRA画像を100例収集し、脳動脈瘤データベースを構築した。動脈瘤それぞれの長軸、単軸と中間軸を測定した。 2) 脳動脈瘤形状分布モデル構築選択的凸領域強調フィルタについて研究し、 その成果を論文として発表した。 選択的凸領域強調フィルタは数学的動脈瘤の最短と最長の直径の比をヘッセ行列の第一および第三の固有値の平方根の逆数の比にあてはまって、動脈瘤形状を持つ構造を強調するために設計された。従来法では血管が曲がった個所や分岐部(部分的な楕円状)も強調されていたが、新規に開発した固有値に基づく強調フィルタのモデルを用いると、選択的に球状の対象物を強調できることが分かった。このモデルは脳動脈瘤だけでなく、球状のほかの病変にも適用できる可能性がある。提案された方法は従来法より少ない偽陽性を得られました。この結果について、「An ellipsoid convex enhancement filter for detection of asymptomatic intracranial aneurysm candidates in CAD frameworks」をタイトルとして学術雑誌Medical Physics 43(2), 951-960, 2016)に英語論文で発表しました。また、海外一回と国内二回学会発表した。 3) 今現在が過去の脳動脈瘤症例データベースにより好発部位を統計解析し、脳動脈瘤発症確率分布モデルの構築を研究し、なお、この研究に基づいた論文を現在執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果について、開発した脳動脈瘤形状分布モデル構築選択的凸領域強調フィルタは数学的に動脈瘤形状を持つ構造を強調するために設計された。従来法では血管が曲がった個所や分岐部(部分的な楕円状)も強調されていたが、新規に開発した固有値に基づく強調フィルタのモデルを用いると、選択的に球状の対象物を強調できることが分かった。提案された方法は従来法より少ない偽陽性を得られました。この結果について、「An ellipsoid convex enhancement filter for detection of asymptomatic intracranial aneurysm candidates in CAD frameworks」をタイトルとして学術雑誌Medical Physics, 43(2), 951-960, 2016に英語論文で発表しました。また、海外一回と国内二回学会発表した。また今現在開発中の新しい方法に得られた結果が有用性を示しているので、とても将来性がある研究と思います。
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Strategy for Future Research Activity |
過去の脳動脈瘤症例データベースで好発部位を統計解析し、脳動脈瘤発症確率分布モデルを求める。更に、検出した脳動脈瘤後補の局所特徴、脳動脈瘤発症確率、破裂危険度を入力として、出力を脳動脈瘤の程度とする機械学習システムを構築する。機械学習としてはSVMやdeep learningを考えている。以上の結果、脳動脈瘤検出システムのプロトタイプを開発する。岩手医科大学とNTT Dataの下で開発された「次世代医用クラウドシステム」に実装し、プロトタイプシステムのテストを行う。また、産業医科大学の興梠教授の指導の下、脳動脈瘤検出システムを用いた場合と用いない場合の性能評価を、ROC解析に基づいて行う。その結果、開発した脳動脈瘤検出システムの臨床応用への有効性を調べる。 国内外(RSNA、JAMITなど)の学術会議に積極的に参加することにより、本研究を遂行する上で必要な情報を収集する。また、開発する提示手法について、海外のコンピュータ支援診断関係の学術雑誌に論文を投稿する。
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Research Products
(5 results)