2016 Fiscal Year Annual Research Report
金融部門からみたマレー・イスラーム型経済発展経路のモデルと動態
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15J03670
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上原 健太郎 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | イスラーム金融 / 現代マレー世界 / イスラーム型マイクロファイナンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の発表については、まず5月に開催された第32回日本中東学会年次大会にて、自らの研究対象であるイスラーム型担保融資について昨年度マレーシアで行った顧客調査をもとに口頭発表を行った。また同月、京都大学共同利用・共同研究拠点「東南アジアにおける商業銀行セクターの地域横断的大変容の実態把握」研究会において、基礎研究としてマレーシアの銀行部門の形成や特徴について口頭発表を行った。8月に英国ダラム大学で開催された国際会議(10th Kyoto-Durham International Workshop in Islamic Economics and Finance)では上記の中東学会での発表およびそこで得たコメントを参考に口頭発表を行い、さらにその後の質疑応答、コメントから研究のブラッシュアップを行った。10月に京都大学で行われた国際学会(7th International Symposium on Islam, Civilization and Science)では、後述のマレーシアでの臨地調査をもとに口頭発表を行い、マレーシア現地の研究者より有益なコメントを頂いた。加えて11月には2016年度アジア政経学会秋季大会にて、マレーシアと同様に研究対象地域であるブルネイ・ダルサラームのイスラーム金融部門の動向や同国の国家開発計画との関係性について口頭発表を行った。現在、そこでの発表内容をもとにアジア政経学会の学会誌『アジア研究』への投稿論文を執筆中である。 臨地調査については、8月から9月の約1ヶ月間、マレーシアとブルネイ・ダルサラームにて行った。具体的には、大学・研究所等での文献調査、イスラーム型担保融資を提供する金融機関への訪問を通じた聞き取り調査、顧客調査を実施した。2月にも約2週間、マレーシアへ渡航し、上の金融サービスに関して、各省庁への聞き取り調査、文献調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究活動およびその発表について、順調に進展している。まず、研究活動についてはマレーシア(2回)、ブルネイ・ダルサラーム(1回)でのフィールドワークによって、現地語を用いて金融機関や現地の大学などの研究機関において、顧客調査と資料収集を実施した。これによって、研究課題の解明へ向けて、豊富なデータ収集を行うことができた。 次に研究発表に関しては、国際会議や国内学会においてフィールドワークにもとづく研究報告を行うことができた。自らの発表に向けられた参加者のコメントによって、自らの研究の方向性をより明確に規定できるようになった。 したがって、これらの研究活動およびその発表は、自らが定めた研究課題の解明に対して貢献できるだけでなく、従来の研究の新地平を開く上で大いに期待できるものとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の解明に向けて、これまでに行った顧客調査、文献調査で収集したデータの分析を行い、その結果を適時、論文、口頭発表を通じてアウトプットを行うようにする。具体的には、学術誌への論文投稿、国内・国外で行われる学会発表、ワークショップにおける口頭発表を行うことを予定している。
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Research Products
(4 results)