2017 Fiscal Year Annual Research Report
次世代集積回路に向けた半導体ナノワイヤにおけるキャリア輸送現象の研究
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15J03785
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 一 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 半導体 / キャリア輸送 / Hall効果 / 衝突イオン化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,昨年度までにGeおよびSiナノワイヤにおけるキャリアの移動度や高電界下でのドリフト速度,さらにナノワイヤMOSFETの特性に対する理論的解析を行った.本年度は,これらの技術的蓄積を活用し,4H-SiCにおけるキャリア輸送,具体的にはp型4H-SiCにおけるHall効果および4H-SiCにおける衝突イオン化現象に関する理論的検討を行った. p型4H-SiCにおけるHall効果に関しては,まず,第一原理計算によって価電子帯のエネルギー-波数分散関係を計算し,これを計算効率の高いk.p摂動法の形で定式化した.このバンド構造を用いて,不純物の不完全イオン化を考慮した正孔密度の温度・アクセプタ密度依存性の計算を行った.また,様々な散乱過程に対する緩和時間を求め,緩和時間近似を用いてドリフト移動度・Hall移動度・Hall因子を計算した.この結果を実験で得られたHall効果測定結果と比較し,実験で得られたHall因子の温度・アクセプタ密度に対する依存性に物理的解釈を与えた.さらに,Hall移動度・ドリフト移動度の温度・アクセプタ密度依存性の経験式を提示した. また,衝突イオン化係数に対する解析としては,第一原理計算により得られたバンド構造から状態密度と平均的な群速度のみの情報を用いて,各エネルギーにおけるフォノン散乱と衝突イオン化の確率を考慮して高電界印加時における分布関数を近似的に計算することで,電子と正孔の衝突イオン化係数を求めた.この手法に基づき,衝突イオン化係数の異方性や温度依存性の解析を行った.実験的に得られた衝突イオン化係数のふるまいを完全に説明するには現時点では至っていないものの,衝突イオン化係数の異方性などの,これまでにはフルバンドモンテカルロ法といった高度な計算手法により解析されていた現象を,簡易な計算モデルである程度記述できることを示した.
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)