2015 Fiscal Year Annual Research Report
コラーゲンの2次構造が骨代謝に及ぼす影響とそのメカニズム探索
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15J03831
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
井田 貴子 新潟大学, 大学院医歯学総合研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | コラーゲン・クロスリンク / 骨代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞培養系において、コラーゲン・クロスリンクの変化が骨芽細胞、破骨細胞、骨髄由来間質細胞に及ぼす影響を明らかにすることを試みた。結果として、低クロスリンクのマトリックス上に播種した各細胞の分化能は上昇し、クロスリンクが骨関連細胞の分化に影響を及ぼす可能性が示唆された。一方、動物実験においては、クロスリンク形成不全マウスモデルの作成に成功した。本モデルではマウスの全身状態に影響を与えることなく、骨中クロスリンクが約半分程度抑制されており、確実なクロスリンク形成阻害が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まず、前骨芽細胞(MC3T3-E1)をクロスリンク阻害剤であるβ-aminopropionitrile (BAPN)存在下にて2週間培養し、クロスリンクの異なるマトリックスを作製した。次に細胞成分を除去したマトリックス上にMC3T3-E1、前破骨細胞株(RAW264.7)、マウス骨髄由来間葉性間質細胞(BMSCs)を各々播種した。MC3T3-E1およびRAW264.7において、クロスリンクの低下したマトリックス上における分化能の上昇が認められた。BMSCsにおいては、クロスリンクの低下したマトリックス上における細胞接着能および骨芽細胞分化誘導後の分化能は上昇が認められた。 4週齢のC57BL/6JマウスをBAPN含有飼料またはコントロール飼料にて8週間飼育し、クロスリンク形成不全マウスを作製した。通常飼料に戻した後、一定期間後に屠殺し、骨基質中のクロスリンクの低下が骨芽細胞および破骨細胞の活性に及ぼす影響を解析した。8週間のBAPN投与から通常飼料に戻して4週後にBAPN摂取群における骨芽細胞の活性は上昇したものの、破骨細胞の活性には影響が認められなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はクロスリンク形成不全マウスモデルより得られた顎骨を用いて、クロスリンクの形成不全が顎骨および歯牙へ与える影響の解析を行う予定である。
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