2016 Fiscal Year Annual Research Report
運動発達障害/遅滞の機序に対する構成論的解明:シミュレーションと神経生理学の融合
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15J03958
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金沢 星慶 東京大学, 情報理工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 運動発達 / 構成論 / シミュレーション / 乳児 / 新生児 / 神経発達 / 発達科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
運動発達障害/遅滞は多要因から影響を受けると同時に,各要因が相互に代償し合う複合的病態であるといえる.しかし,従来の研究方法では,このような複合的病態は解明困難なため,新たな研究方法を開発すべく「構成論的手法と神経生理学の融合」に着目して研究を進めている.
今年度は,昨年度から行っていた新生児・乳児の運動データの計測および解析を進めるとともに,昨年度に習得したシミュレーションの技術を用いた新生児シミュレーションと実データの比較を行った.具体的にはモーションキャプチャーシステムと筋骨格モデルを併用することで新生児・乳児運動について精度の高い計測および解析を行っている.これは研究計画において中心となる計測方法および解析方法を提案したものであり,この解析結果と乳児運動シミュレーションとの比較を通して,発達初期の運動変化に身体性および神経学的構造が重要であることを示している.この研究成果はシンポジウムおよび国際会議において発表している.さらに,この解析方法が適応可能な新生児・乳児を対象とした簡易計測技術の開発も進めている.また,昨年度から続けていた共同研究において,胎児シミュレーションと大脳皮質シミュレーションを接続することで,身体-環境の相互作用の重要性を示している.具体的には胎内環境と胎外環境がそれぞれ大脳皮質上の学習にどのように影響するかを調査したものであり,国際紙において出版されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新生児・乳児の運動計測・解析手法について提案するとともに,シミュレーションとの比較のもと運動発達に重要な因子を見出しつつある.
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Strategy for Future Research Activity |
運動発達過程をシミュレーションするために必要な因子の抽出と,その因子を組み込んだシミュレーションの開発を進める.
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Research Products
(9 results)