2016 Fiscal Year Annual Research Report
Stochasticアプローチによる歯根膜幹細胞の同定
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15J03981
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岩山 智明 大阪大学, 歯学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 系譜解析 / 周皮細胞 / 間葉系幹細胞 / 歯根膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、遺伝子改変マウスを多用し、歯根膜組織における間葉系幹細胞もしくは前駆細胞集団の局在や機能を同定し、同細胞群がどのようなプロセスで様々な間葉系細胞へと分化するのかを明らかにすることで、歯周組織の恒常性維持と再生機構の理解を深めることを目的としている。本年度は主に以下の2つの成果を得た。 1. Nestin陽性細胞およびその系譜細胞を同時に標識することのできるトリプルトランスジェニックマウス(Nestin-GFP;Nestin-Cre;R26-Tomatoマウス)を作成し、生後3日齢から1年まで経時的に歯周組織を解析することにより、Nestin陽性細胞のin vivoにおける局在やその経時的変化を明らかとした。3日齢においては、GFP陽性細胞は外エナメル上皮および象牙芽細胞層に局在する一方で、Tomato陽性細胞は主に血管に関連した細胞群であった。24日齢およびadultにおいては、昨年度得られたNestin-GFPマウスでの結果と一致して、歯根膜中においてNestin陽性細胞およびその系譜細胞が周皮細胞であった。興味深いことに、1年齢において、その数は減少するものの局在は変わらないことから、Nestin陽性細胞はほとんど増殖しないquiescentな細胞であることが示唆された。 2. 歯根膜細胞を特異的に標識する新規マウスの作製に向けて、そのターゲッティングベクターの作成を行った。ES細胞への導入後の相同組換え体のスクリーニングのためにコントロールベクターも同時に作成し、PCRおよびサザンブロットの実験条件の検討を完了した。 以上の得られた結果を取りまとめ、招待講演を含む学会発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新規ノックインマウスの作成に必要なターゲッティングベクターのES細胞への導入が遅れているが、予定していたマウスSPF化、掛け合わせによるトランスジェニックマウスの作製、免疫組織学的解析、初代培養細胞の単離およびin vitroでの解析が進展した。新規ノックインマウスの作成が完了していないものの、ES細胞への導入後のスクリーニング手法については条件検討が完了しており、3年目に完遂できるものと期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
計画している遺伝子改変マウスの作成を完了し、歯根膜細胞における間葉系幹細胞もしくは前駆細胞の同定を進める。
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Research Products
(4 results)