2017 Fiscal Year Annual Research Report
越境的なモノが織りなす地域間ネットワークの研究―沖縄のレコード・楽器を対象に
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15J04047
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Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
栗山 新也 国際日本文化研究センター, 研究部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 民族音楽学 / 文化人類学 / 楽器学 / 物質文化研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
4月から7月までは、本研究に関わる先行研究や、楽器学、民族音楽学、文化人類学などの文献を収集し、読み込みを行った。7~8月には沖縄とアルゼンチンで現地調査を行った。沖縄調査では三線の演奏家や三線職人、三線の所有者などに対して聞き取りを行い、三線の演奏者がどのような三線を使用してきたか、三線産業がどのように移り変わってきたか、1950年代の三線製作の状況、「里帰り」三線の継承過程について調査した。また沖縄県立図書館にて「里帰り」三線に対する新聞記事を収集した。アルゼンチンでの現地調査では、アルゼンチンでの三線文化(名器の保管状況・製作・沖縄への里帰り・物資の調達など)を幅広く調査した。9月には、8月の調査のまとめと、学会発表の準備を行った。10~11月には日本音楽学会、および東洋音楽学会の全国大会で研究成果を報告した。12月~3月までは大阪・沖縄での現地調査、研究成果の口頭発表、論文執筆を行った。沖縄での調査では、「里帰り」三線や、三線文化に関する新聞資料の収集、沖縄の演奏家や三線職人への聞き取り調査を実施した。大阪での調査では、大阪に住む沖縄出身者を対象に、大阪における三線文化の歴史的推移について聞き取り調査を行った。3月には同時代史学会にて口頭発表を行った。ここでは歴史学分野の研究者と、三線の持つ歴史性、三線が媒介する人間関係について議論を深めることができた。そのほか、ハワイからの「里帰り」三線と、大阪に移動した三線についてまとめた論文の執筆を行った。以上のように、本年度はフィールド調査での文献や聞き取りの収集を軸に、学会での口頭発表、論文の執筆を行い、非常に実りのある研究活動を行うことができた。本年度を通じて、沖縄本島や移民・出稼ぎ地における三線文化の歴史と実態、三線の流通や製作を媒介にして形成される人々のネットワークの姿が明らかになった。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)