2015 Fiscal Year Annual Research Report
労働者の身体活動量増加メカニズムの実証 -EAT日本語版を用いた職場介入-
Project/Area Number |
15J04085
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡辺 和広 東京大学, 大学院医学系研究科・医学部, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
|
Keywords | 身体活動 / 労働者 / 産業保健 / メンタルヘルス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、職場の健康促進環境が労働者の身体活動量に及ぼす影響を明らかにすることを目的として、縦断調査研究を実施した。 平成27年5月から8月にかけて文献レビューを進め、研究デザインの確認、および修正を行った。並行して学会での情報収集、および調査研究に関する説明を事業所等へ訪問して行い、調査研究へ協力してもらう事業所を募集した。調査研究のデザインは平成28年8月に東京大学医学部の倫理審査の承認を得た。平成27年9月から1回目の調査を開始し、24の事業所およびそこで働く578名の従業員から協力を得ることができた。平成28年2月から5月にかけては2回目のフォローアップ調査を実施し、459名の労働者のフォローを完了した。 得られたデータを解析した結果、職場における身体活動に関する情報提供、階段使用の推奨、フィットネス施設、および身体活動を推奨する文書化された方針があることが、労働者の余暇時の身体活動促進に効果を持つことが示された。職場、および労働者の階層的なデータを取得した縦断研究は世界的に見ても稀であり、本研究から得られた知見は職場の産業保健における身体活動を通じたメンタルヘルス改善に活用できることが期待できる。また、本研究は労働者の心理的要因も測定しており、職場環境が労働者の行動変容に及ぼすメカニズムの解明にも寄与することが期待できる。 当該研究に関する発表は国内の2学会にて行った。また、当該研究に関する査読つきの論文を英文誌で2編、査読なしの論文を和文誌で1編発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り縦断研究を完了できたことから判断するものである。特に研究対象事業場の選定はきわめて困難な作業となったが、粘り強く交渉を進めて、研究に必要な数・規模の事業場から合意をとりつけ、当該研究課題の第一段となる調査を予定通り実施することに成功した。また、研究に関する研究発表も複数行うことができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、職場の健康促進環境が労働者の身体活動量、および心理的ストレス反応に及ぼす影響を実証することを目的とした介入研究を実施する予定である。平成28年4月から7月にかけて文献レビューを再度実施し、研究デザインを決定する。並行して研究協力事業所の募集、および倫理審査申請を実施し、平成28年9月から研究を開始する予定である。
|
Research Products
(6 results)