2016 Fiscal Year Annual Research Report
労働者の身体活動量増加メカニズムの実証-EAT日本語版を用いた職場介入-
Project/Area Number |
15J04085
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡辺 和広 東京大学, 大学院医学系研究科・医学部, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
|
Keywords | 身体活動 / 労働者 / 産業保健 / メンタルヘルス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は昨年度に引き続き、職場環境が労働者の身体活動量、および心理的ストレス反応に及ぼす影響を明らかにすることを目的として、尺度開発研究、縦断研究、および介入研究を実施した。 まず、身体活動促進における重要な心理的要因である「身体活動に対する自己調整」を測定する尺度の日本語版を開発した。日本の労働者516名に対して実施したインターネット調査の結果、尺度の十分な信頼性、および妥当性を確認することができた。また、昨年度から継続して実施していた縦断調査が完了し、データ解析が終了した。 以上の研究知見を用いて、職場環境が労働者の身体活動促進に及ぼす効果を実証するために、日本の事業所、および労働者を対象として、平成28年度11月よりクラスター無作為化比較試験を開始した。平成28年4月から9月にかけて文献レビューを再度実施し、東京大学医学部の倫理審査の承認を得た。並行して研究協力事業所の募集を実施し、8つの事業所、および190名の労働者から協力を得ることができた。この研究はUMIN臨床試験登録システムに登録済みである。職場環境への介入を含むクラスター無作為化比較試験は世界的に見ても稀であり、本研究は職場の産業保健における身体活動を通じたメンタルへルス改善に活用できることが期待できる。 上記研究に関する発表は国内の3学会、および1つの国際学会にて行った。また、当該研究に関する査読付き論文を英文誌で3編、査読なしの論文を和文誌で1編発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおり介入研究を開始、継続できていることに加え、新たな尺度開発研究、また計画外の研究にも積極的に取り組むことができたことから判断するものである。昨年度に引き続き研究対象事業所の選定は困難な作業となったが、一定の協力を取り付けることができた。また、研究発表も国際学会、および英文誌を含む複数確保することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
来年度は、現在実施中のクラスター無作為化比較試験を継続、完了し、研究知見をまとめる予定である。研究は平成29年4月~6月に介入3ヶ月後調査、平成29年7~9月に介入6ヶ月後調査が終了し、平成29年10月までに研究成果を取りまとめることができる予定である。また、得られた知見は平成29年8月にメキシコにて実施される国際学会(International Congress of the International Commission on Occupational Health - Work Organization an Psychosocial Factors) にて発表する予定である。さらに、研究の知見は論文として英文誌に投稿する予定である。
|
Research Products
(8 results)