2015 Fiscal Year Annual Research Report
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15J04335
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
川崎 義史 上智大学, 外国語学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 中近世スペイン語 / 年代推定 / 場所推定 / 計算言語学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、作成年代や作成場所が不明な中近世スペイン語文書の作成年代と作成場所を言語的特徴に基づき統計的に推定する方法を開発することである。データセットには、中近世スペイン語古文書コーパスCODEA(Corpus de Documentos Espanoles Anteriores a 1700)を使用している。本研究では、文書の作成年代の推定を年代推定、文書の作成場所の推定を場所推定と呼ぶ。 今年度の研究内容は、以下の四点である。一つ目は、コーパスの新バージョンのデータ整理を行ったことである。二つ目は、年代推定に加え、場所推定に取り組んだことである。文書の作成年代と作成場所を推定するために、これら二つの属性を同時に推定する方法を提案した。三つ目は、時間軸におけるカーネル平滑化と空間軸におけるカーネル平滑化を組み合わせることで、データセットに点在する欠損値補間と頑健な推定を可能にしたことである。四つ目は、n-gram言語モデルとJS情報量に基づいた年代推定・場所推定のアルゴリズムを実装し、様々なパラメータのもとで実験を行ったことである。 今年度の成果は、上述の同時推定により、文書の作成年代と作成場所を個別に推定する場合に比べ、推定誤差を2割以上減少させることができたことである。時間軸と空間軸を同時に考慮することで、言語の時空間変異をより良く捉えることができることを実証した。 研究成果は、国内・国外の学会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
・中世スペイン語訳聖書の系統関係の研究とシミュレーション技法による言語変化の研究に着手できていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
・中世スペイン語訳聖書に関する関連研究の調査とデータ分析。 ・言語変化に関する関連研究の調査とモデル化。
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Research Products
(5 results)