2015 Fiscal Year Annual Research Report
近代韓国における儒教の展開――経学院と儒教教育を中心として
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15J04401
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
丁 世絃 関西大学, 東アジア文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 漢文教育 / 経学院 / 儒教教育 / 斯文会 / 渋沢栄一 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、近代韓国における儒教の展開の中で漢文教育に関する研究を行ない、その成果を論文として発表した。論文では、(1)近代の漢文教育に関する韓国と日本の認識を検討し、(2)朝鮮総督府の漢文教科の編纂方針と漢文教科書の実際の内容、(3)『普通学校漢文読本』、『新編高等朝鮮語及漢文読本』巻1-巻5を中心にその内容と第2次朝鮮教育令期の漢文教科の特徴、その意味を考察した。 近代日本の漢学教育に関しては、2015年5月文化交渉学会において「二松学舎における渋沢栄一の活動について」という題名で口頭発表した。この報告では、まず1920年代中等学校の漢文科廃止論とそれに対する二松学舎の反対意見、『斯文』に掲載された渋沢の文章(当時斯文会の副会長)などを検討した。 儒教の宗教化については、朝鮮学会で「日本植民地期韓国における儒教の宗教化について―李炳憲と経学院を中心として―」という題名で口頭発表を行なった。この報告では韓国の孔子教運動家である李炳憲の活動や中国との交流、韓国の儒教団体である経学院の儒教の宗教化過程を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は韓国近代における漢学・漢文をめぐる諸問題につき積極的に研究を進めた。植民地期の漢文教科書を取りあげてその特色を論じるほか、経学院と儒教の宗教化過程につき考察を行った。また韓国近代儒学と関係の深いテーマとして日本の二松学舎や渋沢栄一、斯文会の活動を発掘し、朝鮮儒学者との関係も新たに指摘するなど、多くの成果を挙げたといえる。現在、博士論文「近代韓国における儒教の展開」の執筆に鋭意取り組んでおり、まもなく完成の予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
経学院の付設教育機関であった明倫学院について以前研究ノートを書いたが、明倫学院の設立に関する研究であり、明倫学院の機能や実際の運営について十分な研究ではなかった。今年は儒教教育と1930年代の儒教思想の転換とその影響また政治との関係について研究を進める予定である。
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Research Products
(5 results)