2015 Fiscal Year Annual Research Report
開発途上国における母子保健・子どもの教育に関する実証分析
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15J04498
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉川 香菜子 大阪大学, 国際公共政策研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | Child education / Family welfare / Early child development |
Outline of Annual Research Achievements |
途上国における母子保健と子どもの教育に関する実証研究を研究計画に沿って進めている。保健に関する研究では、家庭環境が子どもの健康にどのような影響を与えるのかについて、子どもの体格を表すBMIや主観的な健康観を変数として使用して分析をした。操作変数法を用いるために必要な変数をラオス国にて行ったフィールドワークにて新たに取得することができたため、内生性に対処したより精度の高い分析を目指した。現在投稿準備中である。 子どもの教育に関する研究では、ジャマイカ政府が全国で実施しているキャッシュトランスファープログラム(※貧困家庭に対する経済的援助であり、子どもの学校出席率等を一定程度満たすことが現金支給の条件とするなど、対象者の行動変容を促す政策)が子どもの教育アウトカムにどのような影響を与えているのかを実証的に評価する研究を行った。分析にあたっては、当該国の家計調査であるJamaica survey of living conditionsを使用して研究計画に沿って分析を行った。完成した論文は、現在査読つきのジャーナルに投稿中である。また、前述のラオス国で取得した一次データを用い、子どもの教育アウトカムと家庭環境に関する実証分析を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
完成を予定していた3つの論文のうち1つは完成し、現在ジャーナルに投稿中である。また、他の2つについても、ラオスで取得したデータとジャマイカの家計調査を用いて分析を進めており、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究計画に沿って、ジャマイカの家計調査データを使用して子どもの教育アウトカムと家庭内ロールモデルの関連を調べる分析に着手する予定である。また、「研究実績の概要」に記した通り、ラオス国にて二次データでは取得が困難な変数を取得することができたため、このデータを使用して、親の育児方針が子どもの発達にどのような影響を与えるかや、出産前後の母親の行動が子どもの発達や健康に与える影響などをテーマに分析を進めたい。
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Research Products
(2 results)