2016 Fiscal Year Annual Research Report
CRISPRを用いた複雑型ゲノム編集システムの開発とエピゲノム制御への応用
Project/Area Number |
15J04519
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大字 亜沙美 大阪大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | CRISPR/Cas9 / ゲノム編集 / 発生工学 / ES細胞 / 遺伝子改変マウス / 遺伝子組換えマウス / 雄性生殖細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
CRISPR/Cas9システムを利用すれば、受精卵へsgRNA/CAS9発現プラスミドを注入するだけで簡便に遺伝子改変動物を得られる。しかし、この方法では領域欠損やノックインの成功率が低いことが課題であった。そこで本研究では、一度に多くのクローンを解析できるES細胞株を用いて、複雑な遺伝子改変の手法を確立することを目的とした。 ES細胞にsgRNA/Cas9発現プラスミドやリファレンスとなる二本鎖DNAを導入し、変異のスクリーニングを行った結果、変異導入効率が極めて高いことがわかった。しかし、変異ES細胞クローンからキメラマウスを作製し、ホモ型変異マウスを得るには2世代以上の交配を要する。そこで我々は、変異マウスの表現型解析までの時間短縮を目的とし、キメラマウスを用いた表現型解析を試みた。 まず、精子形成に必須な既知遺伝子Cetn1のノックアウト (KO) ES細胞を樹立し、キメラマウスを作製した。キメラマウスの体内でES細胞由来の細胞を区別するため、Egfp遺伝子を恒常的に発現するES細胞を使用した。キメラマウスから採取したGFP陽性精子を観察すると、頭部奇形を呈しており、Cetn1-KOの表現型と一致した。 さらに、体内に変異細胞と野生型細胞を併せ持つキメラマウスの特徴を活かして、致死遺伝子の表現型解析も試みた。精巣と脳で発現するDnajb13遺伝子は、KOすると水頭症のため生後致死となる。そこで、Dnajb13-KO-ES細胞を樹立してキメラマウスを作製したところ、野生型細胞が寄与したことで水頭症を免れ、性成熟するまで生存した。GFP陽性精子を観察すると、尾部に奇形が見られ、Dnajb13は精子形成においても重要であることがわかった。このように、ES細胞でのゲノム編集とGFPを指標としたキメラマウス解析を組み合わせることで、迅速な表現型解析が可能になった。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Genome engineering uncovers 54 evolutionarily conserved and testis-enriched genes that are not required for male fertility in mice.2016
Author(s)
Miyata H, Castaneda JM, Fujihara Y, Yu Z, Archambeault DR, Isotani A, Kiyozumi D, Kriseman ML, Mashiko D, Matsumura T, Matzuk RM, Mori M, Noda T, Oji A, Okabe M, Prunskaite-Hyyrylainen R, Ramirez-Solis R, Satouh Y, Zhang Q, Ikawa M, Matzuk MM
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Journal Title
Proceedings of the National Academy of Sciences
Volume: 113
Pages: 7704-7710
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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