2015 Fiscal Year Annual Research Report
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15J04554
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
淺井 裕介 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Keywords | 準結晶 / ミクロ相分離構造 / ブロック共重合体 / ブレンド |
Outline of Annual Research Achievements |
研究課題である「ABCトリブロック共重合体による準結晶の構築」について、両端成分に鎖長差を持つ2種のABCトリブロック共重合体をブレンドする手法を用いて、その発現を目指した。ブレンドするポリマーの鎖長差と体積分率のパラメータとし、ドメインの配列との相関を調べた。この研究から、6倍以上の鎖長差をもち、両端鎖AとCの体積分率が非対称のとき、用いているトリブロック共重合体の総分子量から予期される構造周期よりも大きな周期をもつことがわかった。またAとCの体積分率を非対称にすることで、ドメイン配列が規則性は持ちながらも周期性が低くなる現象が見られ、準周期構造へと向かっている可能性がある。 また準結晶の構築を目指していく過程で、Ordered Tricontinuous Double Diamond(OTDD)構造の発現を確認した。高分子系におけるOTDD構造は、自由エネルギー上不利な構造であり、その発現機構はよくわかっていない。この構造を証明する手法として、透過型電子顕微鏡(TEM,TEMtomography)、小角X線散乱(SAXS)を用いており、どの手法からもOTDD構造の発現を証明した。このように実空間・逆空間の両アプローチから、OTDD構造の発現を証明した例はまだない。またOTDD構造は広いフォトニックバンドギャップを持つことが知られており、光の波長ほどの周期をもつ高分子の相分離構造でそれが達成されたため、材料としても注目を集めるだろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
準結晶を発現させるための分子設計のめどがおおよそついた。また準結晶を目指す過程で発現したOTDD構造のように、本設計から準結晶以外の興味深い構造の発現が期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
準結晶が得られると期待できる分子設計を元に、ABCトリブロック共重合体を調製する。 鎖長差をもつABCトリブロック共重合体ブレンドからOTDD構造が発現したことを踏まえ、共連続構造領域についても検討し、新規構造の発現を目指す。 シミュレーションにより、ドメイン内で分子がどのようなコンフォメーションを取っているかについても検討する。
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Research Products
(7 results)