2015 Fiscal Year Annual Research Report
不正競争防止法による店舗内外装保護の可能性―米・英・仏法との比較法的見地から―
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15J04884
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
末宗 達行 早稲田大学, 法学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | 不正競争防止法 / トレードドレス / パッシングオフ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、比較対象国の知的財産法制の基礎研究を中心に行い、特にイギリスの法制度を中心に検討する予定としていた。 イギリスにおいては、不正競争法の中心は、コモンロー上の不法行為類型の一つであるPassing offにより担われている。Passing offは、研究課題において解釈の対象である日本の不正競争防止法2条1項1号と類似した法準則である一方で、非常に多様な分野を対象としており、日本の同号とは異なる部分がある。法の特徴を把握するという目的を踏まえ、類似点及び相違点を観察することに照らし、Passing offによるパブリシティ保護を題材として取り上げ、論文により研究成果を公表した(拙稿「イギリスにおけるPassing offによるパブリシティ保護(一)~(二・未完)―不正競争防止法・混同防止規定によるパブリシティ保護への示唆―」法研論集157号115-135頁(2016)、158号(掲載決定・近刊予定))。また、不正競争の概念とPassing offとの類似と相違についても検討を行い、Passing off概念に関するイギリスにおける議論を把握することに努めた。2015年6月には、国際著作権法学会大会に出席し、情報収集を行った。 その他の比較対象国のうち、アメリカについては、デザインに関連する連邦法上の法制度について検討を行った。具体的には、Lanham法43条a項による非登録のトレードドレス保護、登録商標制度、意匠特許制度、及び、著作権による保護である。本研究では、主な検討対象はLanham法43条a項による非登録のトレードドレス保護であるが、平成27年度には比較対象国における法制度の在り方について検討することとしたことに照らし、立体物に対する法的保護制度として、隣接する法制度を含めて検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は比較対象国の法制度の基礎研究を行い、とりわけイギリスにおけるPassing offに関する現状把握を行う予定であった。 現状においては、一方では、日本における不正競争防止法2条1項1号との比較においてPassing offの特徴的な側面であるパブリシティについて論文に取りまとめることができ、不正競争概念とPassing off概念の類似点と相違点の把握に着手し、そして、アメリカにおけるデザイン保護法制の在り方の検討を実施した。他方で、Passing offによる立体物保護に関するより詳細な研究については途上である。 これらのことに鑑みれば、研究計画はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、各国における店舗内外装に関連する知的財産制度、判例及び学説についての検討を中心に行う。 アメリカ及びイギリスに関しては、店舗内外装及びそれを含むデザイン保護法制に関して、これまでの成果を中間的にとりまとめ、論文として公表していくことを目指す。また、その他の比較対象国であるフランス法における状況について、店舗内外装を含む立体物に対する不正競争法的側面からの法的保護に関し、検討を行っていく予定である。 これらの検討は、文献の渉猟と分析を中心としながら、必要に応じて、国内外の学会等への出席などを通じて各国の研究者、実務家等との意見交換を行い、遂行していく予定である。
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Research Products
(2 results)